引退に傾いた夜、駆けつけた三浦佳生 壷井達也「来季やるからには」
引退に傾いた夜、駆けつけた三浦佳生 壷井達也の決意

午後11時過ぎだった。壷井達也(23)=シスメックス=は友人との食事を終え、ホテルに戻っていた。

「うまくいかなかった、とモヤモヤしていた」

2025年12月20日。その日、東京でフィギュアスケート全日本選手権の男子フリーがあった。総合13位に終わっていた。

涙と「引退」の言葉

演技後は涙が出た。報道陣の前で「引退」という言葉も口にした。

大学院進学を1年遅らせ、全力を注いだ「オリンピックシーズン」だった。

「大学の5年間で一番頑張った。それでも結果に結びつかなかった。この1年、何が残ったのだろう」

いろいろな思いが頭をめぐっていた。

三浦佳生からのLINE

そんなとき、LINEが届いた。三浦佳生(21)=明大=からだった。

「引退するの? 今から行くわ」

壷井が銅メダルを獲得した22年の世界ジュニア選手権をはじめ、同じ大会に出場することが多かった2人。フットワークが軽いところも似ていた。住む場所は離れていても、直前に予定を合わせて遊びに行く仲だった。

夜のドライブと決意

三浦の車で夜のドライブに出た。その中で交わされた言葉が、壷井の背中を押した。壷井は「来季やるからには」と、現役続行への決意を新たにした。