生まれつき左目がないとみられ、名古屋市の水族館で治療を受けていた「奇跡のウミガメ」が22日夕、保護された室戸市から再び海へと帰っていった。
治療の経緯と「まさむね」の名前の由来
アオウミガメは4月29日、室戸市の三津大敷の定置網に入り、むろと廃校水族館が保護。治療と観察のため5月11日、名古屋シーライフ水族館(名古屋市港区)に預けられた。シーライフの小川泰史館長によると、レントゲン検査で左目は先天的にないことが判明。同じく左目を失った戦国大名・伊達政宗にちなんで、「まさむね」と名付けた。
ほぼ左回りで水槽を回遊するのが特徴で、小川館長は「右目で周りの様子を見極めているのではないか」と話した。排せつ物にはプラスチック片や直径約3センチの発泡スチロールが含まれていた。
放流の様子と今後の影響
この日夕、廃校水族館近くの砂浜で放流。波打ち際15メートルに置かれると、しばらくはじっとしたまま。歩き出してからも立ち止まっては首を伸ばして周囲を確かめ、7分かけて海へと帰った。ウミガメ研究者でもある廃校水族館の若月元樹館長は「一般的にはまっすぐ海に向かうが、想像以上にゆっくりで、足跡はゆるやかなジグザグ。頭を上げる様子もハンデをうかがわせた。今後、保護した個体の障害の有無を把握する参考になった」と話した。
まさむねの左前後肢には個体識別標識「JP475566A」「JP475567A」が取り付けられている。



