富士山頂直下の登山道の混雑が、登山規制の導入後も解消されていない。今夏の開山期(7月1日~9月10日)には、規制前を上回る24万人超が山頂を目指したとみられ、ご来光目当ての登山者が殺到し、転倒が連鎖する恐れのある混雑が生じた日もあった。環境省は、山頂付近に今夏新設した赤外線カウンターで人流を定量的に調べ、混雑の程度や規制の効果を検証する。
規制導入後も混雑は続く
富士山では、混雑や夜通し歩く「弾丸登山」を防ぐため、山梨側は2024年、静岡側も25年以降、登山時の通行料・入山料徴収などの規制を実施。山梨側では1日4000人の登山者の上限も設けられた。
だが、今夏は天候に恵まれたこともあり登山者が増加。環境省が山梨側の吉田、静岡側の須走、御殿場、富士宮の各ルートで計測した登山者数は計約24万5000人(速報値)に達し、規制前の23年やコロナ禍前の18、19年より多い。
日の出前の集中は変わらず
山頂付近では混雑も生じている。読売新聞が、人流をAI(人工知能)で分析する調査会社「ロケーションエーアイ」(東京)の協力を得て、9合目から山頂直下の人流データを分析したところ、日の出前に集中する状況は規制の導入前後で変化していない。
登山ガイドらでつくる「富士吉田市案内人組合」によると、大半の登山者が選ぶ吉田ルート(8合目で須走ルートと合流)では規制後も混雑状態が続き、転倒の連鎖や落石の危険性が生じているという。このため両県は、9合目付近への誘導員の配置を続けている。



