熊本県で28日夕、マグニチュード7.1の地震が発生し、宇城市と氷川町で震度7、熊本市などで震度6強を観測した。一時、津波注意報も出された。多くの死傷者が出ており、政府や自治体は被災者の救助と支援に全力を挙げる必要がある。
激しい揺れと爆発、被害の実態
住宅や道路の損壊状況はまだ詳しくわかっていない。被災した建物内に閉じ込められている人がいる可能性もある。消防や警察、自衛隊による救助活動は暑さで過酷になるが、発生から72時間以内の救出が生死を分ける。
衝撃的だったのは、商業施設「イオンモール熊本」の爆発だ。外壁が吹き飛び骨組みがむき出しになった建物は爆発の激しさを物語っている。巻き込まれた人の発見と救出が最優先で、原因究明も急がれる。
産業や医療への影響
地震で煙突が折れた日本製紙八代工場でも死者が出ており、安否不明者がいる。家屋の倒壊が相次ぎ、停電や断水で入院患者を転院させている医療機関もある。熊本県には半導体関連工場が集まっており、生産停止が自動車や電子機器など幅広い分野に影響しかねない。
「割れ残り」と今後の地震活動
1995年の阪神大震災以来、最も大きい震度7は8回記録されている。今回の震源周辺では2016年に震度7が2度発生しており、これで3回目。原因は調査中だが、前回の地震を引き起こした活断層が一部割れ残り、今回の地震につながった可能性が指摘されている。活断層周辺では強い余震が続発しており、危険度の高い家屋にとどまるのは避けるべきだ。一般的に震源が浅い場合、その後の地震活動がより活発化する傾向がある。2016年の地震では震度7のM6.5地震の28時間後にM7.3地震が発生し、その後3か月間に震度6強を含む2000回近い余震があった。
気象庁は今後1週間ほどは震度7程度の地震に注意するよう呼びかけている。やむを得ず在宅避難する場合は、倒れた家具をそのままにして転倒防止を徹底するなど、命を守る行動が必要だ。避難所に向かえるよう非常用持ち出し袋を準備し、避難ルートを再確認したい。
熱中症と関連死防止
被災地では今後1週間、最高気温35度以上の猛暑日が続き、夜間も25度を下回らない熱帯夜が予想されている。停電で冷房が使えないと熱中症リスクが高まる。車中泊ではエコノミークラス症候群にも注意が必要だ。こまめな水分補給と体を動かす対策を心がけたい。
2016年の地震では犠牲者約300人の8割が災害関連死だった。頻発した余震が避難者の心身に極度の負担を与えたことが一因で、大半は持病のある70代以上の高齢者だった。災害派遣医療チーム(DMAT)を派遣し、避難所を巡回して災害関連死を防ぐことが急務だ。
デマ情報への注意
近年の災害ではSNSを通じてデマや誤情報が拡散されている。前回の熊本地震では「動物園からライオンが放たれた」とする偽画像が投稿される悪質な事件があった。今回も人為的に地震が引き起こされたとする投稿などが出回っているという。真偽不明な情報に振り回されず、信頼できる自治体や報道機関の情報を確認することが大切だ。
被災者の中には3度目の震度7を経験した人もいる。生活を立て直したところでの再被災に打ちひしがれている人もいるだろう。心のケアや生活の再建を含め、被災者に寄り添った支援が欠かせない。



