南海トラフ地震で津波による長期浸水の恐れがある高知市下知地区の「二葉町自主防災会」が8月22、23日、仁淀川町で避難生活を体験する「防災キャンプ」を行った。市内の避難所が不足する中、市外への「広域避難」を見据えた試みで、参加者は実際に寝泊まりする中で、円滑な避難に向けた課題を探った。
海抜0メートル地帯のリスクと防災キャンプの経緯
高知市二葉町は浦戸湾に近く「海抜0メートル地帯」が広がり、1946年の昭和南海地震の際も浸水被害を受け、南海トラフ地震発生時は浸水が長期化する恐れがある。
二葉町自主防災会は東日本大震災以降、広域避難を視野に、40キロ離れた中山間地域の仁淀川町の長者地区のボランティア団体「長者だんだんクラブ」などと交流を続け、昨年初めて同町内で防災キャンプを実施した。
睡眠確保と今後の課題
昨年は硬い床の上で寝たため、十分な睡眠を取ることができなかったメンバーもいたといい、睡眠の確保は災害関連死を防ぐ上で重要で、今回は折りたたみ式ベッドを準備した。参加者は、実際に広域避難をする際の課題などについて話し合った。
長者だんだんクラブ会長の西森勇幸さん(79)は「スムーズに意思疎通して動くことができている。実際に避難が必要になれば快く迎え入れる」と語った。
空き家活用と生活再建への展望
今後の課題の一つは、仁淀川町内にある空き家の有効活用だ。同会会長の西村健一さん(72)は「実際に仁淀川町内に避難するとなると、どうしても長期化する」としたうえで、「下知地区には喫茶店や美容院などを営む自営業者も多く、空き家を使って、なりわいをどのように続けるか、生活再建に向けても検討したい。今後も、地域交流を続ける中で、いざという時には、円滑な避難ができるよう努めていきたい」と力を込めた。



