年取って「トイレが近い」理由 加齢だけじゃない、足のむくみや認知機能低下も要因に
年取って「トイレが近い」理由 加齢だけでなくむくみや認知機能低下も

高齢になるとトイレが近くなり、しょっちゅう行きたくなるといわれます。加齢で膀胱(ぼうこう)の神経が過敏になりやすいだけでなく、別の理由もあるのです。

足のむくみが夜間の頻尿を招く

例えば私が最近まで勤務した老人ホームでは、足のむくみが原因で、夜間のトイレの回数が多い入居者さんがいらっしゃいました。むくんだ足に水がたまり、日中は尿があまり出ません。ところが夜、体を横たえると足にたまっていた水分が体を巡りだし、トイレに頻繁に行きたくなるのです。

この場合の改善策はまず、午前中に水分をたくさんとり、夕方にかけて飲む量を減らしていきます。そして、足首を動かすなどの運動を増やし、少し昼寝をすることで、日中に足の水分を尿として出しておき、むくみを残さないようにします。すると、夜のトイレの回数が減り、運動量も増えて疲れてぐっすり眠れるという効果が見られました。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

認知機能低下でトイレにこもるケース

また、認知機能が低下して、周囲の人と関わるのが不安でトイレに何度も行く、という入居者さんもいます。用を足したいわけではなく、一人になって落ち着きたくてトイレに入ったものの、今度は「なぜ私はトイレに?」と状況が分からなくなってトイレから出る-というのを繰り返します。

この場合、決まったスタッフ数人が不安な気持ちに寄り添って、感情のケアをします。認知症の入居者さんの目から見た「今」をとことん肯定しながら、状況に対する理解度を上げていき、「あんたの顔は覚えたよ、いつも優しくしてくれてありがとう」と言っていただけるくらいになると、トイレの回数がおのずと減っていく、ということがよくあります。

水分制限は逆効果、地道な対応が鍵

いずれの場合も「すぐに解決!」という方法はなく、入居者さんとよく向き合って地道に取り組み続けることが大切です。言うまでもないことですが、「水分の摂取を控えよう」なんていう方法は、おすすめできません。

1年以上にわたり、私が勤務していた老人ホーム「ウェルケアガーデン馬事公苑」のできごとを綴(つづ)ってきましたが、次回からは新たな執筆者にバトンタッチします。これまで読んでいただいた皆さん、ありがとうございました。引き続きご愛読をお願いします。(サンケイビルウェルケア運営支援部課長 晴山和幸)

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ