海底ケーブル防護、国は積極的関与を 社説が主張
海底ケーブル防護、国は積極的関与を 社説が主張

今年3月、台湾近海で中国船が通信用海底ケーブルを損壊した事故を巡り、武力攻撃以外の手法で台湾に被害を与える中国のグレーゾーン作戦だった可能性が浮上している。関係する中国船4隻が事故前に特異な航路をとったことや、その一部が海上民兵訓練に参加していた過去が産経新聞の取材で明らかになった。

日本の国際通信の99%が依存

日本にとっても重大な懸念をはらむ事案だ。日本の国際通信の99%は光海底ケーブルを経由する。これが他国の破壊工作などで損壊すれば、世界との通信が大きく阻害されかねない。経済活動はもちろん、安全保障面でも深刻な事態に陥る。

防護を含む海底ケーブル網の強靱化は喫緊の課題だ。国が最近、そのための取り組みを相次いで打ち出したことは重要な布石となろう。通信途絶リスクへの備えを万全にすべきだ。

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総務省検討会の報告書と改正法

総務省の検討会は7月、海底ケーブルの防護などに関する報告書をまとめた。この中で、海底ケーブルが「安全保障を確保する上での重要なインフラとしての性格を一層強めている」とした。報告書はケーブルの異常を迅速に検知する仕組みの導入や、損壊時の国の支援などを盛り込んだ。

また、海底ケーブルと地上の通信網を接続する陸揚げ拠点の分散化も促すとした。現在は、房総(千葉県)と志摩(三重県)に集中しているが、警備を含む破壊工作対策の観点からも分散化は必要だ。

先の特別国会では、海底ケーブルの敷設作業が海外に過度に依存することがないよう、国がケーブル敷設を資金的に支援できる規定を盛り込んだ改正経済安全保障推進法も成立した。

中国への依存からの脱却

最近はケーブル敷設に使う専用船の供給で中国の存在感が増している。だが、経済安保の観点からも中国に頼るわけにはいかない。国が企業の敷設を支えるのは当然だ。

高市早苗首相は5月、開かれたインド太平洋(FOIP)を進化させる「FOIPデジタル回廊」の推進を掲げ、日本が北米とアジアを結ぶ海底ケーブルのハブの役割を担う考えを示した。その実現のためにも国は積極的に関与すべきである。

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