7月の熊本地震では、建築物に収蔵されていた文化財の保護も課題となっている。地震の揺れで損壊した品もあり、被害の全容は明らかになっていない。劣化や散逸、盗難などの被害から守るため、被災した建物から救い出す「文化財レスキュー」が始まった。
八代市の名勝・松浜軒で建物被害
震度6強の揺れに見舞われた熊本県八代市。中心部にある国の名勝「松浜軒(しょうひんけん)」では、大通りに面した白壁の蔵が崩れ、瓦が飛び散った。
八代城主の松井直之が1688年に造ったお茶屋。花々が咲く庭園で知られるが、地震で主屋や書院なども崩れた。
所有者「先祖が代々守ってきたのに」
所有・管理する松井神社の宮司で松井家14代当主の松井葵之(みちゆき)さん(80)は「歴代の先祖が代々守ってきたのに、ここまで壊れてしまうとは」と肩を落とす。
建物被害に加え、松井さんが収蔵していた文化財の保護も急務となっている。文化財レスキューによって、被災した建物から救い出された品々が今後の調査や修復を待つことになる。



