再審無罪2年、袴田さんの姉「巌だけ助かればいい問題ではない」
再審無罪2年、袴田さんの姉「巌だけ助かればいい問題ではない」

確定死刑囚だった袴田巌(いわお)さん(90)の再審無罪判決から2年となる26日、姉の秀子さん(93)が報道陣の取材に応じ、「冤罪(えんざい)で苦しんでいる人は大勢いる。巌だけが助かれば良い問題ではない」と訴えた。

「冤罪と戦った58年と比べると、長いとは感じません」

この日、秀子さんは静岡県富士市で開かれたボクシング大会の会場に姿を見せた。この2年間について「冤罪と戦った58年と比べると、長いとは感じません」と振り返った。

再審制度をめぐり今年7月に法律が改正されたことについては、「不備があるからと直したにもかかわらず、大して直っていない」と批判。議論が盛り上がったこと自体は良かったとしつつ、「今後の改正のために頑張っていきたい」とした。

巌さんの近況

長年の拘禁で精神を病んだ巌さんは、徐々に無罪になったことを認識してきたようだという。好物の果物を毎日食べる一方、7月ごろからは日課のドライブにほとんど出かけず、家で寝ている時間が増えているという。「(巌さんを)なるべく長生きさせたいと思っています」と話した。

前川彰司さんの指摘

会場には、福井市で1986年に起きた女子中学生殺害事件で有罪となり服役し、昨年8月に再審無罪となった前川彰司さんも姿を見せた。前川さんは、再審制度の見直しについて「改正といえば言葉はいいかもしれない。ただ実際には改正にはほど遠く、再審の壁は今まで通り高く厚い」と指摘。「全面的な証拠開示が実現できなかったことは、敗北と言っても良い」と悔しさをにじませた。