「桃太郎電鉄(桃鉄)」が子供たちの勉強に役立つ教材として注目されている。発売元のコナミデジタルエンタテインメントは東京大、資料作成ソフトのCanvaと共同で、地理に加えて歴史や経済などについても学べる小学校社会科向け補助教材を作成した。
桃鉄の教育効果と教育版の普及
桃鉄は、すごろく形式で全国の物件を買い集めて得られる収益を競う内容で、自然に県名や観光名所を覚えられるため、地理の勉強に役立つと考えられてきた。
コナミは、プレーヤーに意地悪する貧乏神など教育効果を妨げかねない機能を省いた教育版を令和5年にリリース。全国の小学校の約40%が利用アカウントを取得している。単元に合わせて遊ぶ地域を限定でき、地域の特産品や歴史的建造物などに興味を持たせて調べさせるなどから始まり、収益率計算などの「算数」、地域の生態系などの「理科」にまで応用は広がっている。
東大との共同研究と新教材
コナミでは以前から白地図や学級通信などに使えるキャラクターデータなどを提供。また出版社などと提携した漢字や計算ドリルも市販されている。
ゲームの仕組みをコミュニケーションに応用する「ゲーミフィケーション」などを専門とする東大藤本研究室は6年度からコナミと共同研究を開始。その一環で、今回、学校現場で広く使われているCanvaに対応したテンプレート教材を開発した。内容は、香川県でなぜうどんが特産品になったかを、地理的、歴史的、経済的な側面から考えさせ、発表まで行うことができるというもの。
東大大学院情報学環の藤本徹教授は「調べましたで終わらず、深い学びにつながるように設計した」と話す。今後も他のテンプレートを公開予定だ。
教員の負担軽減と他ゲームの活用
藤本教授は「教員が新しい授業を取り入れるには、インフラを整えたり、資料を作ったりとさまざまな障壁がある」と話す。桃鉄の地図を印刷するのが大変だったという声もあったという。併せて、授業事例などを共有できるサイトも立ち上げた。
学校現場ではこのほか、米マイクロソフト傘下のサバイバル・ものづくりゲーム「マインクラフト(マイクラ)」も広く使われている。マイクラ上でさまざまな世界を体験するためのワールドデータには、宇宙航空研究開発機構(JAXA)などによる月の世界を再現する「ルナクラフト」や、産業技術総合研究所の「日本シームレス地質図マイクラワールド」などがある。JAXAは相模原市と不登校支援プログラムに活用する取り組みも進めている。