フィットネストレーナーで鍼灸師の前田修平氏は、50代の体が急に動かなくなる原因について、加齢や筋力低下ではなく、運動不足による脳と体のギャップが主因だと指摘する。人の体は、運動から遠ざかっていた期間が長いほど、自分のイメージと実際の動きの誤差が大きくなり、コントロールが難しくなる。この現象は年齢に関係なく起こる。
例えば、大人が久しぶりに走ったら足がもつれて転倒するという、運動会などでよく見られる光景は、この現象の表れであり、深刻なケガにもつながる。特に運動不足が長く続いていた50代には非常に起こりがちだ。スマホやパソコン作業による長時間の姿勢固定は、血液循環を悪化させ、さまざまな機能低下を引き起こす。
なぜ週末のまとめ運動では不調をリセットできないのか
長時間デスクワークなど同じ姿勢が続いた後の運動は、筋肉のリセットにもなり推奨されるタイミングだが、週末だけのハードな運動では、平日の座り過ぎや運動不足を取り戻せないことが明らかになっている。土日だけにまとめるよりも、平日に5分だけこまめに体を動かす習慣があるほうが、体は圧倒的に衰えない。土日にがんばり過ぎるとケガのリスクも高まるため、最初は平日にすきま時間で小さく動き、土日は少し丁寧に動かす配分が賢明だ。
使っていない機能や筋肉は驚くほど速く衰える。大股歩きや大きく伸びをするなどの大きな動きが減ると、脳は使っていない機能を不要と判断し、エネルギーを使わないように省エネモードにする。体が楽な選択を続けるため、必ずどこかにしわ寄せが生じる。
意識的にほんの少し「暮らしの動き」を変えていく
運動に限らず、新たな習慣を続けるコツは意志の力を使わないこと。意気込んでも挫折するのは意志の力に頼ろうとするからだ。通常の生活の中に小さなケアを入れ込み、日常化することが重要。例えば、通勤時に一駅歩く、エスカレーターではなく階段を使うなど、ほんの少し暮らしの動きを変えることで、無理なく体を動かす習慣が身につく。



