大阪教育大、特別支援学校教員免許も取得できる全国初のプログラムを来春新設
大阪教育大、特別支援学校免許も取得可能な全国初プログラム新設

大阪教育大学は来春、小中高校の教員免許に加え、特別支援学校の教員免許も取得できる全国初のプログラムを新設する。支援や配慮が必要な児童・生徒が大幅に増える一方、特別支援教育の専門知識を持つ教員は不足しており、人材育成に力を入れる。

5年間のプログラム内容

大阪教育大学の「特別支援教育プログラム」は計5年間。学部4年間で特別支援教育の基礎を学びながら各教科の教員免許(基礎免許)を取得した後、特別支援教育特別専攻科(1年間)に入学して、子どもの特性に応じた指導法などを学び、特別支援学校の免許を取得する。専攻科の入学金や授業料は免除される。

特別支援教育への関心が高い受験生を対象とするため、高校長の推薦が必要な学校推薦型選抜に「地域教員希望枠」(募集人員10人)を新設した。大阪府教育庁と連携し、将来、府内の支援学校で働くことを希望することが条件となる。

背景にある教員不足と増加する支援ニーズ

特別支援教育は、障害に応じた形で教科の指導を行う。特に、近年増加している発達障害は特性や程度が様々で、それぞれの子どもが抱える困難を理解した対応が求められる。

同大学はこれまでにも、教師を目指す高校生向けのイベントで、特別支援教育をテーマにした授業を行うなどしてきた。担当する片桐昌直・特任教授は「教科教育と同様に、今後は支援や配慮の専門知識が重要になっていくだろう。教員志望の学生に広く関心をもってもらいたい」と語る。

背景には、支援が必要な子どもが大幅に増える一方、専門知識を持つ教員は不足している現状がある。文部科学省の資料によると、2024年度の小中学生の数は約927万人で、うち特別支援教育を受ける児童・生徒は約71万人。10年前と比べて総数は1割減ったが、特別支援教育が必要な子どもの数は倍以上になった。特に、通常の学校の特別支援学級や、普通学級に在籍し、一部の授業を別で受ける通級指導の子どもの増加が大きい。

免許取得の現状と専門性への期待

特別支援学校の免許は原則、基礎免許を持つ教員が、教員養成大学の専攻で学ぶか、自治体の認定講習などで単位を修めて取得する。保有率は21年度、特別支援学校の教員で86.5%、小中学校の特別支援学級では31.1%だった。

川合紀宗・広島大教授(特別支援教育学)は「特に中高では、教科と特別支援教育の双方で専門性を持つ人材が求められている。学部段階で必要性を示すことができれば、学生がより学びを深められるのでは」と話した。

特別支援教育とは、障害をもつ児童・生徒の教育的ニーズを把握して適切な指導や支援を行う教育。2007年の改正学校教育法で、従来の肢体不自由や知的障害など五つの種別に加え、学習障害などの発達障害も対象となった。特別支援学校で勤務する教員は原則、特別支援学校の教員免許が必要だが、1949年制定の教員免許法は「当分の間」、基礎免許のみで勤務できるという特例を設けており、現在も継続している。