次期学習指導要領の改定に向け、中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)の特別部会は25日、審議の取りまとめ案を了承した。10月のパブリックコメントを経て文科相に答申し、今年度中に文科省が新たな指導要領へ改定する。
情報教育の拡充と英語でのAI活用
新指導要領の柱は、情報教育の拡充や英語授業での人工知能(AI)導入、全ての教科で「多面的・多角的な考察」を求めることなど。AIの発達によるフェイク画像の氾濫などデジタル社会の負の側面に対応し、情報教育を強化する。
小学校では3年生以降の総合学習の時間に「情報の領域」、中学校では「情報・技術科」を新設。情報教育は小学校で令和10年度、中学校で11年度から先行実施される。
英語ではAIを含むデジタル学習を授業で活用する観点を盛り込んだ。文科省幹部は「会話や発音などの反復練習、いわゆる壁打ちに適したAIの性質を生かす」ことを想定すると説明。授業にAIの活用を明記するのは初めてとなる。
高校国語の再編と全教科への拡大
高校の国語は科目を大幅に再編。現行指導要領で学習機会が減少したとされる小説など文学の魅力を含め、国語力の底上げを目指す。
また、一部の学校現場で偏向が指摘された平和学習の状況を踏まえ、現在は社会科に記載されている「多面的・多角的な考察」を全教科に拡大。地域や子供の特性に合わせた柔軟な教育課程の編成を可能にする「調整授業時数」も導入し、外国人児童・生徒の増加など社会が直面する課題も見据える。
実施時期
新たな指導要領は小学校が令和12年度、中学校が13年度に実施。高校は9年度に改定され、14年度から実施される。