「うちの子、他の子と違うかも」と不安になったら…脳に届く声かけのコツ
「うちの子、他の子と違うかも」と不安になったら…脳に届く声かけのコツ

子どもの行動が変わり始める「声かけ」の考え方を紹介します。発達科学コミュニケーション代表・学術博士の吉野加容子氏が、脳科学の観点から子育てに役立つヒントを提供します。

「正しさ」よりも「脳への届き方」が重要

「どちらが正しい声かけなのか」「しつけとして正しいのはどちらなのか」と考えたくなるかもしれません。しかし、これは「正しさ」の問題ではありません。正しい指摘であっても、子どもの脳には届かないことがあるのです。ここにあるのは、もっと根本的な、「見えていなかった前提」の違いです。

子どもは、言葉の意味だけで動いているわけではありません。その言葉を脳がどう受け取ったかによって、次の反応が変わります。たとえば、「やるって言ったよね?」という言葉は、親からすれば正しい言葉です。約束を守ってほしい、切り替えてほしい、次の行動に移ってほしいという願いは当然です。けれど、その瞬間の子どもの脳は、「責められている」「コントロールされている」「やりたくないことを押しつけられている」と感じて、動きを止めてしまうことがあります。

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一方で、「一番面白いところ教えて♪」という言葉は、一見するとこれからやってほしいこととは関係がないように見えます。ところが子どもの脳は、「興味を持ってもらえた」「受け入れられている」「話していいんだ」と感じて、心を開き始めます。この違いが、行動の違いを生んでいます。つまり、問題は何を言うかだけではなく、その言葉が子どもの脳にどう届くかなのです。

発達の凸凹に境界はない

「発達障害=脳の発達の凸凹」と聞くと、どんなイメージが浮かぶでしょうか。「特別な問題がある子」「何かが足りない子」と思ってしまう人もいるかもしれません。しかし、脳科学の観点から見ると、そうとは限りません。人間の脳には、誰しも「得意・不得意」があります。そして、その凸凹の出方が少し目立ち、日常生活の困りごととして表れやすい子どもたちが、「発達障害」や「グレーゾーン」と呼ばれることがあります。

たとえば、身長を思い浮かべてください。背が高い子もいれば、低い子もいます。でも、「ここからが高身長で、ここからが低身長」と、はっきり線を引けるわけではありません。脳の発達も、これと同じです。グレーの要素は誰にでもあるのです。

この「脳に届く言葉」を考える視点は、発達に凸凹のある子どもに関わるうえで、とても大切になります。吉野氏は、診断よりも先にできることとして、子どもの脳に届く声かけのコツを実践することを勧めています。

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