家庭での予習や復習など、小中学生が学校の授業以外で勉強する時間が減少している。文部科学省が8月に公表した今年度の全国学力テストで、その傾向が明確になった。学力低下に影響している可能性がある。
家庭学習の減少と学力への影響
家庭での学習は授業を補い、知識の定着を図る上で重要だ。だが、最近はスマートフォンなどの利用時間が増えている。それが家庭での学習習慣の妨げになっていないか。
保護者らには、勉強時間やスマホ利用のルールを決めるなど、子供が家庭で学びやすい環境づくりに努めてほしい。同時に学校側には、子供の学習習慣が定着するよう、家庭学習をサポートしてもらいたい。
全国学力テストで見えた傾向
小6と中3を対象として4~5月に実施した全国学力テストは、国語や算数・数学などの問題とともに、生活習慣も調査した。それによると、塾などを含めて、平日に学校以外で1日1時間以上勉強している割合は小6が50.3%、中3が61.7%で、5年前の調査よりいずれも10ポイント以上減った。
家庭における勉強時間は成績にも大きく関わる。例えば小6で「3時間以上」勉強している児童は算数の平均正答率が71.2%だったのに対し、「1~2時間」では58.2%、「全くしない」は43.8%だった。
スマホ利用と成績の関係
一方でスマホなどの利用時間は長く、平日に3時間以上利用する割合は小6で37.3%、中3で49.1%に上った。時間が長いほど平均正答率が低下する傾向もみられた。
家庭学習は学校での一斉授業とは異なり、自分のペースで取り組めることが大きい。授業についていけなくなりそうな子供にとっては貴重な時間となる。家庭ごとに子供の学習状況や保護者の関わり方などを考え、効果的に取り組むことが大切だ。
学校と保護者の連携を
学校側は宿題の出し方に工夫を凝らしたい。気になるのは最近、宿題を減らしたり、なくしたりする学校が増えていることだ。漢字の書き取りや計算ドリルを繰り返すような従来型の宿題は、かえって学習意欲を失わせるとの意見もある。だが、塾などには行かず、家庭学習は宿題が中心という子供もいるだろう。宿題をなくした結果、ますます勉強机に向かわなくならないか。家庭学習を習慣づけるためにも、学校と保護者は連携を密にすべきである。