ベネッセコーポレーションの社内シンクタンクであるベネッセ教育総合研究所と東京大学社会科学研究所は6月30日、「子どもの生活と学びに関する親子調査2025」の結果を発表した。調査は全国の小学1年生から高校3年生の子どもとその保護者を対象に実施され、2015年から2025年までの11年間の変化を分析している。
学校外学習時間が約2割減少
1日あたりの学校外学習時間(宿題、宿題以外の家庭学習、学習塾の合計)は、この11年で高校生が22分、中学生が19分、小学4~6年生が17分、小学1~3年生が9分減少。どの学校段階でも約2割の減少となった。
内訳をみると、すべての学校段階で「宿題」時間の減少が最も大きく、次いで宿題以外の「家庭学習」が減っている。学習塾の時間は大きな変化がない。
勉強への意欲低下と目的意識の希薄化
「勉強が好き」と回答する割合は、特に小学生で減少。一方、「何のために勉強しているのかわからない」と答える子どもはすべての学校段階で増加している。また、「勉強のやり方を工夫する」といった学習の自己調整ができる子どもは、小中学生で減少傾向にある。
ベネッセ教育総合研究所は「学ぶことへの肯定的な意識や意味づけが弱まっている可能性がある」と指摘する。
成績や家庭環境による学習格差の拡大
成績上位層は下位層に比べて学校外学習時間が長く、特に宿題以外の家庭学習時間の差が大きい。この11年で成績中・下位層の宿題以外の学習時間が減少し、上位層との差が拡大している。
社会経済的地位(SES)別にみても、宿題以外の家庭学習時間に大きな差があり、SESが低い層の家庭学習時間が減少し、高い層との差が広がっている。
家庭学習をしない子どもが4~5割に
宿題以外の学習を一切しない「家庭学習0分層」は、この11年で10ポイント前後増加し、どの学校段階でも4~5割を占めるようになった。この層は成績下位層やSESが低い層ほど多く、勉強の好き嫌いや学ぶ目的の明確さ、学習の自己調整とも関連している。
調査は「子どもたちが自ら学ぶ経験を通じて意欲や目的意識、学びを調整する力を育む機会が十分に得られていない可能性を示している」と結論づけている。



