秋田県内で7月26日から8月1日まで開催された「第50回全国高等学校総合文化祭 あきた総文2026」(読売新聞社特別後援)で、ジュニア記者が現地を訪れ、文化を愛する全国の高校生たちの大会の様子を取材した。今週は、計22部門のうち新聞と自然科学の2部門を紹介する。
新聞部門:なまはげの伝統を学ぶ
新聞部門では、全国から参加した新聞部員らが12のコースに分かれ、秋田県の歴史や文化、暮らしについて取材した。ジュニア記者は、男鹿半島に根付く「なまはげ習俗」について学ぶコースに同行した。
囲炉裏に長くあたっているとできる低温やけどのことを「なもみ」といい、怠け者のなもみをはいで戒める「なもみはぎ」がなまって「なまはげ」となったとされる。一方で、なまはげは山からやってきて家に入り、大声で1年の災厄を払う「守り神」でもあり、古くから敬われてきた。2018年にはユネスコの無形文化遺産にも登録された。
男鹿市のなまはげ館では、真山なまはげ伝承会の太田忠さんが、男鹿の各地域から集まった150枚以上のお面が展示されているスペースで、なまはげ行事が現在では約140地域のうち半数の地域でしか行われなくなっていることを説明した。隣接する男鹿真山伝承館では、実際になまはげの行事を体験。なまはげは荒々しいふるまいが注目されがちだが、家の主人とのやりとりはユーモラスで、見学者を優しく励ます場面もあった。
男鹿市で地域振興に携わる伊藤晴樹さんは、現状に悔しさをにじませながら「なまはげ行事についての正しい理解を広めたい」と語った。取材した徳島・城南の宮尾奏甫さん(2年)は「伝統を途絶えさせてはいけない、という思いが強くなりました」と話し、新聞を通して魅力を伝えたいと感じた様子だった。
自然科学部門:洋上風力発電の訓練を体験
自然科学部門では、秋田県内の自然科学に関する施設や名所を巡るフィールドワーク「巡検研修」が21コースに分かれて実施された。ジュニア記者は、県立男鹿海洋高校で海に関する食と科学について学ぶコースに参加した。
秋田は風力発電に適した環境で、洋上風力発電をリードする地域として期待されている。洋上風力発電では、風車の設置や管理が重要で、同校には作業員向けの安全訓練や作業員輸送船の操船訓練などができる産学官連携の訓練センター「風と海の学校 あきた」が併設されている。今回は、救命いかだの乗船や水中ドローンの操作、シミュレーターでの操船訓練に挑戦した。
16人乗りのいかだは、こぐ際に使うパドルが想像以上に重く、コツをつかむのに時間がかかった。いかだには数日分の食料や釣り道具、船酔いで吐いて脱水に陥ることを防ぐ酔い止め薬まで準備されており、非常時に落ち着いて使用するためには日々の訓練が大切だと実感した。
操船シミュレーターは、天候や時間帯を自由に設定でき、出航から洋上風車に作業員を送り込む段階までを体験できた。佐賀・鳥栖の藤井智畝さん(3年)は「操作と実際の船の動きに時間差があったので思うようにいかなかった」と操船の難しさを実感した様子。将来は環境影響評価などを行う仕事をしたいそうで、「目指している職業に直接つながる体験ができ、参考になった」と話した。
また、新鮮な魚のすり身を使った揚げかまぼこ作りにも挑戦し、揚げたてのかまぼこはとても甘く、海の恵みを感じた。



