敦賀市コミュニティバス利用者、初の36万人超え 過去最多を記録
敦賀市コミュニティバス利用者、初の36万人超え 過去最多

福井県の敦賀市コミュニティバス(全11路線)の2025年度の年間利用者数が、11年度の開業以来、初めて36万人を超え、過去最多を記録した。コロナ禍などを経て5年連続で増加し、V字回復を果たした。北陸新幹線の敦賀延伸による観光客の増加に加え、自転車のヘルメット着用を努力義務とした道路交通法改正も「バス回帰」を後押ししているようだ。

開業以来初の36万人超え

コミュニティバスは市内を走っていた民間の路線バスが09年までに撤退したことを受け、11年5月から市が福井鉄道、敦賀海陸運輸の2社に委託して運行している。

開業当初の年間利用者数は約34万人だったが、徐々に減少し、17年度には30万人を割り込んだ。さらに新型コロナウイルス感染症の流行が追い打ちとなり、20年度には約23万4000人まで落ち込んだ。

ところが翌21年度から増加に転じ、北陸新幹線が敦賀駅まで開通した直後の24年度には、開業当初に迫る約33万人まで回復。25年度には最多の36万427人が利用した。市交通政策課によると、今年度は更に増えそうだという。

新幹線延伸とヘルメット努力義務が追い風

敦賀観光バスが運行を担う、市内の観光スポットなどを巡回する「ぐるっと敦賀周遊バス」も21年度以降、利用者が増加。新幹線延伸が「追い風」となり、24年度には過去最多となる7万7622人を数えた。

増加の理由の一つとして考えられるのが道交法改正だ。23年度から、自転車に乗る際のヘルメット着用が努力義務となり、高校生の「バス回帰」が起きているとみられる。

敦賀気比高によると、通学にバスを利用する生徒は20年度頃までは30人前後だったが、25年度は70人、今年度も66人と、以前の2倍以上に増加。年間で延べ数千人規模の利用者増となる計算だ。市内の他の高校でもバス利用の生徒が増えているという。

自転車の交通違反に対する「青切符」が、今年度に導入されたことも影響しているようだ。

免許返納支援も利用者増に寄与

市は運転免許自主返納支援の一環で、65歳以上の免許返納者に2万円分のバス・タクシーチケットを交付する。申請者は10年で約1.5倍に増え、今年度にも300人を超える見込みで、引き続きバス利用者の増加が予想される。

市交通政策課は「今後も現在の路線を維持するとともに、さらなる利用促進に向けて取り組んでいきたい」としている。