「気仙沼最後の復興事業」が開業
宮城県気仙沼市の大島にある亀山(標高235メートル)で7月19日、三陸沿岸の風景を一望できるモノレールと山頂テラス「亀山テラス360」が開業した。この事業は「気仙沼最後の復興事業」と呼ばれ、東日本大震災からの復興の象徴として整備が進められてきた。開業初日は県内外から多くの観光客が訪れ、山頂からの絶景を楽しんだ。
初日は573人が乗車、絶景に歓声
午前10時、菅原茂市長の「出発進行」の号令とともにモノレールの第1便が山頂へ向けて出発。早速乗車した東京都江戸川区の会社員女性(24)は、山頂からの光景に「青色の海が輝いていてとてもきれい。別の季節にも来てみたい」と満足げに語った。市観光課によると、19日は573人がモノレールを利用した。夫婦で訪れた秋田市の会社員男性(65)は、360度の眺望を動画に収め「島と湾にかかる橋が一望できるのも良い。来て良かった」と笑顔を見せた。
モノレールの概要と事業費
モノレールは2両編成(1両20人乗り)で、中腹の駐車場から山頂までの約410メートルを約6分で結ぶ。総事業費は22.8億円。山頂にはソファなど50席の休憩スペースとカフェが整備され、市は一帯を「亀山テラス360」と命名。年間6万2000人の乗車を目標に掲げている。
震災で廃止されたリフトの後継
大島にはかつて、船着き場近くから山頂手前までを結ぶ市営リフト(約900メートル)があり、ピークの1978年には12万人以上が利用する人気観光施設だった。しかし、東日本大震災による津波でリフト乗り場が全壊。湾内で発生した火災が亀山にも燃え移り、機械室も失われた。リフトは観光施設という理由で国の復興交付金の対象にならなかったが、市は観光の起爆剤として、天候に左右されないモノレールを構想。2024年に着工した。
アクセスと今後の運行
島では災害公営住宅の建設などの復興事業が進み、2019年には本土とつなぐ気仙沼大島大橋も開通。モノレールの料金は往復1200円(小学生は600円)。24日までは午前10時から20分間隔で運行し、その後は午前9時からとなる。中腹の駐車場の混雑状況は、亀山テラスの公式サイトやX(旧ツイッター)で確認できる。



