夏本番を迎え、熱中症にかかる人が後を絶たない。自分は健康だから大丈夫だと過信せず、熱中症予防に十分気を配ることが重要だ。
気象庁が「酷暑日」を定義
気象庁は今年、最高気温が40度以上の日を「酷暑日」と呼ぶことにした。21日に岐阜と愛知で初めて記録して以来、各地で連日観測され、警戒感が高まっている。
日本だけが特別暑いわけではない。元々涼しい気候の欧州でも今年は記録的な暑さとなるなど、世界的に気温が上昇している。
救急搬送1万人超、14人死亡
総務省消防庁によると、19日までの1週間に熱中症で救急搬送された人は全国で1万人を超え、前週の2倍以上に増えた。このうち14人が死亡している。
熱中症になると、めまいやだるさ、吐き気などの症状が出る。体調を崩した人がいたら、首筋やわきの下を保冷剤や冷却シートで冷やすと応急処置になる。けいれんや意識障害がある場合は、ためらわず救急車を呼んでほしい。
予防が最大の安全策
熱中症にならないよう予防することが最大の安全策だ。まずは、のどが渇いたと感じなくても、こまめに水分補給することが基本になる。
水分といっても、経口補水液は日常的に飲むものではないので要注意だ。脱水症状のある人には有効だが、健康な人の場合、塩分や糖分が過剰になり、心臓や腎臓に負担をかける恐れがある。
暑い時間帯の外出は控え、やむを得ない場合は帽子や日傘で日差しを避けたい。室内ではエアコンを適切に使うことが肝心だ。
高齢者と職場での対策
熱中症で病院に運ばれた人の4割は、住居内で具合が悪くなっている。年を重ねると暑さを感じにくくなるため、高齢者は特に、暑いという自覚がなくても、気温や湿度に応じてエアコンをつけるよう心掛けたい。
職場での熱中症も少なくない。このため政府は昨年、労働安全衛生法の規則を改正し、企業に熱中症対策の強化を義務づけた。
対策は徐々に進んでいる。炎天下での作業が多い建設業では、作業時間を短縮するなどの配慮を始めた。ファン付きの作業服や、気温や心拍数から熱中症のリスクを測る腕時計型「ウェアラブル端末」の活用も広がっている。
農家の対策遅れ
一方、農家の熱中症対策は遅れがちだ。農作業中に熱中症で死亡した人は2024年に、すでに59人に上っている。
農業は高齢化が目立つ業種だ。国や自治体、農業関連団体は、他の業種も参考に、農家の熱中症対策にも力を入れるべきだ。



