高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)をめぐる状況に変化が生じている。かつては冬に渡り鳥がウイルスを持ち込み、春には消えるとされてきたが、2020年ごろから発生の様相が変わりつつある。
毎年発生、期間も長期化
環境省の過去15シーズンのデータによると、20~21年シーズン以降、毎年HPAI陽性の死亡野鳥が見つかっている。それ以前は14~15年に8件発生し、16~17年に210件、17~18年に46件と2シーズン続いた後、2シーズンは陽性件数がゼロだった。
しかし20~21年以降は毎シーズン、陽性の野鳥が死亡しており、22~23年以降は100件を超えている。対象もカモ類などの渡り鳥以外に広がっている。
希少鳥類にも感染
25~26年シーズンには、タンチョウやシマフクロウ、オジロワシといった絶滅の恐れのある希少鳥類に感染個体が出た。
また20~21年より前は、HPAI陽性の死亡野鳥のシーズン1例目は11月、最終例は4月1日までに出ていたが、最近は9月に1例目が出たり、冬ではない5月や6月にも発生したりしている。発生地も16~17年シーズンを除けば、以前に比べて広い傾向がある。
監視強化が課題に
こうした中、専門家はリスク評価のため、情報蓄積を求めている。監視の強化が課題となっている。