ひとたび噴火すれば人命も脅かされる火山だが、「恵み」を享受する人もいる。カルデラ内外に50万人が暮らす「カンピ・フレグレイ」のあるイタリア南部では、火山のおかげで古来のブドウの木が生き残り、今も独特なワイン造りが続く。生産者のひとり、ジュゼッペ・フォルトゥナートさん(63)に聞いた。
火山の恩恵で独特なワインが生まれる
「ここはポッツォーリという都市で、カンピ・フレグレイのカルデラ内に位置します。過去に何度も大きな噴火に見舞われ、今も活動期にある危険な場所です。しかし、ワイン造りには大きな恵みをもたらしています。秘密は土にあります」とフォルトゥナートさんは語る。
カンピ・フレグレイ内にある町ポッツォーリには多くの住民が暮らすほか、観光客らでにぎわう。正面に見える高台は火口の縁で、イタリア空軍士官学校が建っている。
フィロキセラ禍を生き延びた古木
19世紀、ヨーロッパのワイン生産者にとって悲劇的な出来事があった。アメリカから輸入されたブドウの木に付着していた害虫のフィロキセラが、ヨーロッパ全土に広がって、高級ワインの原料の伝統的なブドウ品種がほぼ全滅したのだ。
フィロキセラに耐性があるア…
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