7月28日の熊本地震で、有明海をはさんだ対岸にある眉山(長崎県島原市)の斜面が広範囲にわたって崩れた。もうもうと土煙を上げる様子がSNSで注目され、さらなる崩壊を気にする声も相次いだ。専門家は、大雨による土石流に警戒が必要と指摘する。
眉山の歴史と今回の崩落
眉山は江戸時代の1792年に大規模な崩壊(山体崩壊)を起こし、対岸の熊本に被害をもたらしたことがある。「島原大変肥後迷惑」と呼ばれ、海に流れ込んだ大量の土砂が大津波を起こし、両岸で1万5千人の死者が出た。噴火活動のさなかの地震がきっかけとみられ、斜面が大きくえぐられた地形や、このときできた島が今も残る。
1990年から雲仙・普賢岳の活動が活発になったときも、崩壊の可能性に注目が集まった。眉山は普賢岳の東側に位置し、島原市の市街地の間近にあるからだ。一方で、火砕流から市街地を守る盾の役割も果たした。
共同調査と能登半島地震の教訓
7月31日、京都大防災研究所の竹林洋史特定教授(砂防工学)が建設コンサルタント会社パシフィックコンサルタンツとの共同調査で、ドローンを使って斜面や崩れた土砂の様子を観察した。
念頭にあるのは2024年の能登半島地震で起きた被害だ。石川県輪島市の町野町曽々木地区では、1月の地震で渓流に土砂がたまり、9月の豪雨で土石流が起きた。似たようなことが起こる可能性があるのか、崩壊の量や、土砂の特徴を土石流のシミュレーションに生かすという。



