島根県出雲市今市町の商店街「サンロードなかまち」などを焼いた大規模火災で、発生から3か月が過ぎた24日、被災した建物の解体・撤去工事が本格化した。12月末をめどに更地化される予定だ。
一括発注で費用負担を軽減
火災は6月23日に発生し、店舗や住宅など25棟を焼いた。被災者や地元の今市自治協会などでつくる「市今市町大規模火災復興プロジェクト」によると、一帯には地権者が11人いるが、個人で解体・撤去工事を発注すると費用が膨らみ、手続きの負担も大きいため一括発注することにした。
事業費は、境界線を画定させる費用も含めて約5500万円を想定。商店街の復興に向け、市内の企業などが実施したクラウドファンディング(CF)に寄せられた支援金約2800万円を充てて、残りは地権者が支払うという。
重機で東側から解体進む
この日は、商店街関係者らが見守る中で作業が始まった。重機が商店街の東側から被災した建物を解体し、がれきを取り除きながら徐々に西側を目指した。
プロジェクトは、地権者の意向を尊重しながら今後のまちづくりを検討する予定で、勝部武会長(92)は報道陣の取材に対し、「全国の多くの方にご支援をいただき、ありがたさを感じている。被災者の方には、地元に残っていただき、商店街の発展に向けて一緒になってやっていきたい」と話した。
防災を意識したまちづくりへ
今回の火災では、建物が密集するなど防火上の課題も浮き彫りになったため、広い道路や消火活動のしやすさなど、防災を意識したまちづくりが必要になるという。
プロジェクトのメンバーで、自身が運営に関わる飲食店が焼けた小豆沢貴洋さん(51)は「防災と商店街の未来に向けて皆の意識を共有しながら、他の地域が建物を更新する際のモデルになるようにしたい。安全な駅前づくりを進めながら、人が交流する場所が実現できれば」と述べた。