徳島市は、2028年に開園30周年を迎えるとくしま動物園(徳島県渋野町)について、31年度にかけて段階的に刷新する方針を固めた。動物の繁殖・飼育環境を充実させるとともに、生態や行動を間近で感じられる展示を目指す。
トラ舎を改修し8頭飼育可能に
現在使われていないトラ舎は寝室を増設し、現在は3頭が飼育可能だが、8頭が飼育できるように広げる。県外から新たにアムールトラを導入し、ペアリングによる繁殖飼育と親子展示を目指す。ホッキョクグマ「ポロロ」(雌)の展示エリアは、老朽化した屋根と職員用通路を修繕する。
開会中の市議会9月定例会に提案している今年度一般会計補正予算案に、一部施設の改修費など5600万円を計上した。27年度も継続するため、8700万円の工事などを計画している。
オオカミやリスザルの環境も整備
27~31年度の5年間は本格的な再整備期間と位置付け、オオカミやリスザルなどの飼育・展示環境を整える方針。オオカミは寒帯エリアの一部を造成し、群れで暮らす姿や走り回る様子を観察できる飼育スペースを整備する。寒さに弱いリスザルは屋内で展示し、ふれあいスペースを整える。
同園は、市立動物園(中徳島町)として1957年に開業し、98年に現在の場所に移った。施設の老朽化に加え、来園者数の減少という課題に直面する。年間の来園者数はコロナ禍だった2020年に20万人を割り、昨年は約14万人にとどまった。
希少種の繁殖と集客の両立目指す
背景には、目玉となる動物が減っている現状がある。生息地保護や動物福祉の国際的な意識の高まりで、野生動物の導入が難しくなっているためだ。現在の飼育数は60種305個体(6月1日時点)で、この10年で10種50個体減っている。
22年に雄のベンガルトラ「ルパン」、今年7月に雄のシンリンオオカミ「ユウキ」がそれぞれ老衰で死んで以来、トラとオオカミの飼育舎には動物がいない状態だ。再整備では、アムールトラなど国内の希少種の繁殖に寄与できる飼育環境の整備と、来園者を呼び込む展示の両立を目指す。
城翠(じょうもえぎ)園長(54)は「園のにぎわい創出につなげてリピーターを増やしたい」と話している。



