容疑者への発砲、警察官の判断と装備の課題を考える
容疑者への発砲、警察官の判断と装備の課題を考える

刃物を持った容疑者を取り押さえる際、警察官が発砲し、相手が死傷するケースが相次いでいる。国民の生命や財産、そして自分の身を守るために発砲することは当然の行動だが、その判断は現場の警察官にとって重圧だろう。

相次ぐ発砲事案とその詳細

8月4日、大阪府河内長野市のスーパーで、包丁を持った男が暴れていると110番があった。警察官5人が駆けつけたところ、男が迫ってきたため、1人が拳銃を2発発射し、男は死亡した。警察官は、警告をした後に上空に威嚇射撃をしたうえで、刃物を握る男の左手を狙って発砲したが、男が動き回ったため、弾が左胸に命中したという。府警は「発砲要件は満たしていると判断されるが、詳細は調査中」だとしている。

熊本県合志市のコンビニ店でも7月、警察官が刃物を持った男を取り押さえる際に4発発砲した。男は肩や脚を負傷した。県警は男が警告を無視し、刃物を向けて警察官に接近したとして、拳銃使用は適切と結論づけた。

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発砲規則の変遷と現場の負担

警察は戦後長らく、拳銃の使用を極度に抑制し、現場の警察官に「とにかく撃つな」と指導することもあった。しかし、凶悪事件の増加を受け、2001年、危険が差し迫ったときは直ちに発砲できるように規則を明確化した。凶器による警察官の殉職や負傷は少なくない。拳銃の使用を過度にためらっていては、社会の安全も自分の身も守れない時代だ。

とはいえ、実際に拳銃を撃つ警察官の心理的な負担は大きいに違いない。大阪のケースでは、警察官が発砲する場面が撮影され、その動画がSNS上に拡散した。容疑者が死亡したため、発砲を非難する意見もある。現場の警察官がどのように状況を見極め、発砲の必要性があると判断したのか、警察は説明を尽くさなければならない。

拳銃以外の装備品の活用を

警察官には警棒やさすまたなどの使用も認められているが、凶器を持った容疑者を取り押さえるのは簡単ではなかろう。容疑者を死亡させずに制圧するには、警察官が拳銃使用の訓練を重ねるほか、電気ショックで抵抗を抑圧する銃や、射程が長い催涙スプレーなど、拳銃より殺傷能力が低い装備品を携帯できるようにすることも有効ではないか。

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