中央線がなく道幅が狭い「生活道路」の法定速度を時速60キロから30キロに引き下げる改正道路交通法施行令が9月1日に施行される。改正を前に、県警は街頭啓発活動などで「生活道路の制限速度が変わる! どんな道が対象か確認して」と呼びかけている。
商業施設でチラシ配布
静岡市葵区の商業施設「マークイズ静岡」で14日、県警交通規制課や静岡中央署の警察官らが「法定速度が引き下げられます」と書かれた啓発チラシ500部を来店客らに配った。同課の桜井真吾課長補佐は「しっかり確認して安全な街づくりに協力してもらいたい」と訴えた。
改正の対象となるのは、道路標識などで最高速度が指定されていない中央線のない道路。主に道幅が5・5メートル未満で、子どもや親子連れ、自転車利用者らが多く使用しているが、歩道やガードレールがないため車との接触事故の危険性が高いとされる。
事故防止への期待
国は2021年、生活道路の安全を守る取り組みを強化。車の走行速度を抑えるよう路面を隆起させるなどして事故の防止を目指す「ゾーン30プラス」を各地に配置した。その取り組みは県内でも広がり、県警幹部は「ゾーン30プラスを通過する車のスピードは確実に遅くなって、交通量も減った」と手応えを語る。
だが、生活道路での事故は後を絶たない。県警によると、2025年に5・5メートル未満の道路で起きた事故の死傷者数は4571人(死者12人、重傷220人、軽傷4339人)。そのうち自転車や歩行者が被害にあった数は1663人(全体の36・4%)に上った。ドライバーが死角から飛び出した歩行者や自転車に反応できなかったことなどが原因とみられ、県警交通企画課の担当者は「改正で速度が抑制されれば、事故防止につながるはず」と期待する。
事前周知の重要性
生活道路の多くは、速度制限を表記する標識がない。改正後も表面上は変わらないため、ドライバーへの事前周知が重要だ。県警はホームページや公式SNS、ポスター、街頭啓発活動などで県民に広く呼びかけている。
県警交通規制課の大鹿元太郎次席は「改正後、自動車のドライバーが制限速度の30キロを一定以上超えて走れば摘発の対象となる。どこの道が改正の対象なのか、身近な道から確認してもらいたい」と話した。



