全国芝居小屋サミット内子座大会、保存と活用の両立へ課題共有
全国芝居小屋サミット、内子で保存と活用の課題共有

芝居小屋の保存・活用と次世代への継承を考える「全国芝居小屋サミット」の内子座大会が26日、愛媛県内子町の内子自治センターで開かれた。全国の芝居小屋や自治体関係者ら約60人が参加し、それぞれの取り組みや課題を共有した。

保存・活用と継承へ3テーマで発表

全国15か所の芝居小屋や運営団体、自治体などでつくる全国芝居小屋会議などが主催し、今回で30回目。保存修理中の内子座を中心に、芝居小屋の保存や活用、次世代への継承をテーマに意見を交わした。

サミットでは▽四国の芝居小屋の紹介▽芝居小屋の保存・修理▽芝居小屋の活用と今後の展望――の3テーマに沿って、各芝居小屋の関係者が発表した。

高知・弁天座の再建と活用の工夫

高知県香南市の弁天座は、旧館が1970年頃まで興行に使われた後、老朽化で取り壊された。地元有志による歌舞伎活動をきっかけに再建の機運が高まり、2007年に新館がこけら落としを迎えた。

運営委員会の入野節雄会長は「(芝居だけでなく)同窓会や地元の酒蔵の新酒発表会で使ってもらうなど工夫しながら、昔の芝居小屋の雰囲気を残して運営している」と説明した。

内子座の修理状況と情報発信

内子町の内子座は1916年に完成。歌舞伎や人形芝居、映画など時代とともに幅広く利用され、2015年には重要文化財に指定された。耐震補強などの保存修理工事のため現在は休館しており、29年春に再開する予定だ。

町は休館中も、工事現場見学、進捗状況をまとめた「かわら版」の発行、企画展の開催など情報を発信。町町並・地域振興課の多比良雅美さんは「内子の修理事業を広く共有しながら、こけら落としが迎えられたら」と話した。

広島・翁座の復元と地域交流

来年で開場100年を迎える広島県府中市の翁座は1960年に閉館したが、住民ボランティアらが93年に花道や桟橋などを復元。2020年には国登録有形文化財となり、24年には中村屋による錦秋歌舞伎特別公演も開かれたという。

同市商工観光課の千葉祐輔さんは、地元中学生のお笑いライブ、和太鼓パフォーマンスなどに活用されるなど、地域住民の交流の場になっていると説明。「歴史ある翁座の文化的価値を守りながら、人、まち、観光をつなぐ拠点とするためには、『生きた芝居小屋』であることが重要だ。保存と活用を両立し、次の100年を見据え、守っていきたい」と意気込んだ。

参加者の声と今後の展望

参加した奈良県宇陀市の喜楽座の魅力を発信する「宇陀キラ倶楽部」の田川陽子さん(49)は「芝居小屋は多世代交流の宝庫。昔の人から、建物をどのように使っていたかなど思い出話を聞かせてもらうことが大事で、次世代へつながる。今日の報告を今後の活動に生かしていきたい」と話した。