ドライブチェーンの交換時期の見極め方|異音やプレートの波打ちに要注意
ドライブチェーンの交換時期の見極め方|異音や波打ちに要注意

ドライブチェーンの交換時期がわかりづらいと悩むライダーに向け、バイクライターが基礎知識と見極め方を解説する。1974年にシールチェーンが登場して以来、メンテナンスの重要性は薄れたが、何もしなければ1~1.5万kmで不具合が出始めるという。今回は前編として、構造や交換時期のサインを紹介する。

シールチェーンの登場でメンテナンスが変化

1970年代までのドライブチェーンは現在よりも耐久性が低く、定期的な注油が必須だった。しかし1974年に頻繁な注油を必要としないシールチェーンが登場し、ノーメンテでも5,000km程度はトラブルなく走行できるようになった。それでもオートバイの寿命まで使えるわけではなく、何もしなければ1~1.5万kmで騒音や違和感などの不具合が現れ始める。

ドライブチェーンは8の字型の金属プレートとローラー、その中のブッシュをピンでつないだ構造で、前後のスプロケットにかみ合って高速回転する。シールチェーンは内部に特殊なグリスを詰め、ゴムのリングで封入することで長寿命化を実現しているが、ゴムが劣化するとグリスが抜け、接合部の固着や摩擦でチェーンが伸びる。分解してグリスを詰め直すことはできないため、交換が必要になる。

劣化のサインは異音とプレートの乱れ

グリス切れで動きが悪くなったチェーンは、走行中に音が大きくなる。特に加速時に「ガラガラ」「ガチャガチャ」と異音が出る場合は要注意だ。チェーンが外れたり破断したりすれば走行不能になるほか、エンジンを壊したり、リアタイヤがロックして転倒したりする恐れもある。

走行前の確認では、プレートの整列状態をチェックできる。正常なチェーンはプレートがきれいに整列しているが、グリスが抜けると波打つように乱れる。ローラー部が赤茶色に汚れている場合は摩耗が末期で、鉄粉の赤サビが出ている状態だ。リアスプロケット上のチェーンを掴んで前後に揺らした際にガタが出たり、簡単に浮いたりする場合も、チェーンの伸びや摩耗が考えられる。

交換費用とスプロケット同時交換のすすめ

交換時は前後スプロケットも同時に交換した方が、結果的に長持ちする。スプロケットの歯が尖っていたり歪んでいたりすると、新品チェーンを痛めるため、セット交換が推奨される。動きが悪くなったチェーンは注油で一時的に回復することもあるが、完全には直らない。交換までの応急処置と考えるべきだ。

交換費用は250ccクラスで、シールチェーン単体が約15,000円、前後スプロケットとの3点セットが約30,000円、工賃が5,000~15,000円ほど。大型車はさらに1.2~1.5倍程度高くなる。ノンシールチェーンなら安価だが注油頻度が増えるため、一般的なライダーには向かない。ネット通販の格安ノーブランド品は強度や耐久性が不明なため、国産メーカー品が推奨される。

チェーン交換にはそれなりの費用がかかるが、適切なメンテナンスでコンディションを維持することも可能だ。具体的なメンテナンス方法は次回の後編で解説される。