今年のノーベル賞の受賞者には、1200万スウェーデンクローナ(約1億9千万円)の賞金が贈られる。第1回当時の賞金額と価値が近くなるよう調整されてきており、今年は昨年から100万クローナ増額された。共同受賞の場合は規定に従って分割される。
この賞金は、受賞者にどう渡されるのか。ノーベル財団の規約は、賞金は授賞式の12月10日に小切手で授与すると定めている。受賞者は、翌年9月30日までに換金する必要があり、できなかった場合は財団の基金に戻される。
受け渡しに苦労が伴うことも
受け渡しに苦労が伴うこともある。受賞者が当局に拘束されていたり、身の危険があったりして式に出られない例が過去にもあったためだ。
たとえば、1935年の平和賞。反ナチスのジャーナリスト、カール・オシエツキー氏(ドイツ)が思想や表現の自由への情熱と平和への貢献を理由に受賞したが、当局に拘束されて出国を禁じられたため、授賞式に出席できなかった。
38、39年の賞でもドイツで研究していた科学者3人に化学賞や生理学・医学賞の授与が発表されたが、ヒトラー政権が辞退を強制。3人は戦後にメダルと賞状を受け取った。
代理で受け取る家族も
75年に平和賞を受けたアンドレイ・サハロフ氏(旧ソ連)や、91年のアウンサンスーチー氏(ミャンマー)、2023年のナルゲス・モハンマディ氏(イラン)は、当局による出国禁止や拘束のため本人が出席できず、家族が代理で受け取った。
2010年に受賞した中国の人権活動家、劉暁波(リウシアオポー)氏は投獄中で、家族も含めて出席できず、授賞式では空いたままの椅子にメダルと賞状が置かれた。メダルや賞金は後日受け取ることになると報じられたが、劉氏は自由を奪われたまま17年に亡くなった。
ICCへの制裁と賞金換金への影響
今年の有力候補に挙がった国際刑事裁判所(ICC)は、平和賞が発表された10月9日、トランプ米政権から経済制裁を科された。仮に受賞していたら、制裁の影響で、小切手の換金手続きに支障が出た可能性がある。