熊本地震で被災し、一部区間の運休が続く肥薩おれんじ鉄道(熊本県八代市)の中村誠希社長(62)が、読売新聞のインタビューに応じ、不通となっている熊本県内の一部区間について、10月中旬をめどに地震前と同じ運行本数で再開させる考えを示した。
地震による被害と現状
肥薩おれんじ鉄道では、7月の地震で線路の変形や駅の設備の破損など約100か所の被害が確認された。地震発生時は6本の列車が運行中だったが、脱線などはなく、負傷した乗客もいなかったという。
運休中の八代―肥後田浦駅間はバスで代行輸送しているが、中村氏は「一度に利用できる人数が限られ、運行時間もかかる。ホームや線路の補修を進め、とにかく早く復旧させたい」と述べた。
観光列車や関連ツアーへの影響
7~9月の期間限定で復活させていた観光列車「おれんじ食堂」の運行計画も、地震で影響が生じている。車内で地産地消の料理を提供する形式で、「予約が非常に好調で、収益面で期待していた」(中村氏)が、当面は運行を見送らざるを得ないという。
ほかにも、八代市出身で2023年に亡くなった演歌歌手八代亜紀さんの足跡をたどるツアーも8月下旬に計画していたが、実施できなくなった。
経営状況と今後の見通し
肥薩おれんじの25年度の利用者数は前年度比7・9%減の95万7000人で、3年ぶりに100万人を割り込んだ。昨年8月の大雨で一部区間が一時運休したことなどが響き、最終利益は6億円の赤字(前年度は827万円の黒字)と2年ぶりの赤字に陥った。
中村氏は復旧後は収益回復に向け、観光客の呼び込みや交通利便性の向上に力を入れる考えを示した。



