回転ずし店迷惑行為なぜ絶えない?犯罪心理学者が分析する心理と抑止策
回転ずし店迷惑行為なぜ絶えない?犯罪心理学者が分析

回転ずしチェーン「はま寿司」の店舗でしょうゆボトルに指を接触させるなどの迷惑行為を動画撮影し、SNSに投稿したとして、埼玉県警は6日、埼玉県内に住む無職の男(43)を威力業務妨害の疑いで逮捕した。全国の飲食店で相次ぐ迷惑行為はなぜ後を絶たないのか。東京未来大学副学長で犯罪心理学が専門の出口保行氏に背景を聞いた。

しょうゆボトルに指を接触、SNSに投稿

県警によると、男は6月28日午前11時16分ごろから約7分間、県内の回転ずし店舗で、しょうゆボトルの注ぎ口に自分の指を接触させ、しょうゆを出すなどの行為を撮影。その動画をSNSに投稿し、不特定多数が閲覧可能な状態にした。これにより店側はしょうゆボトルの交換や苦情対応などの業務を余儀なくされ、正当な業務の遂行に支障が生じた疑いがある。一部報道によると、男は容疑を一部否認している。

はま寿司の広報担当は「このような行為は、他のお客様の健康被害につながるおそれもある極めて重大な問題であり、到底容認できるものではありません」と強調。「短期間のうちに再び同様の事案が発生したことに強い憤りを感じています。警察の捜査に全面的に協力するとともに、今後も悪質な迷惑行為には毅然とした姿勢で対応してまいります」とコメントした。

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「歪んだ自己顕示欲」が背景に

出口氏は、こうした迷惑行為に及ぶ心理状況について「歪んだ自己顕示欲が存在する」と分析する。「こうした事件を起こす人間は社会内で評価されていないと感じ、不満を強く持っている場合が多い。正規の方法で社会的に認められることはできないと考え、違法性の強いことをして目立とうとしやすい」と指摘する。

さらに、「『そんなことする人がいるんだ』『そんなことができる人がいるんだ』といったコメントをもらうと、自分が大きくなったかのような錯覚にとらわれ、自己肥大感が増大する。するとさらに過激な行動にエスカレートしやすく、『センセーションシーキング』という刺激を常に求める状態に入り、自分でも抑制が効かなくなる」と説明する。

リスクとコストを軽視する傾向

出口氏は一般的な人の犯罪抑止メカニズムについて、「人は犯罪動機を形成しても、行動に移す前にリスクとコストを考える。リスクとは検挙リスク、コストとは失うものの大きさ(信頼、信用、仕事、家族など)。リスクとコストが高ければ犯行に移すことは少ない」と述べる。

その上で、「この手のタイプの犯罪者はリスクとコストをあまり考えていない場合が多い。自分の行為を遊びの延長と捉え、犯罪であるという認識が薄い。見つかっても『ごめんなさい』と謝罪すれば許されるという幼稚な考えを持っている場合も多い」と指摘する。

「確証バイアス」と「無敵の人」

出口氏は「ここでとても大きな役割を背負ってしまうのが確証バイアス」と説明する。確証バイアスとは、自分に都合のよい情報は取り込み、そうでない情報は捨て去る認知の偏りだ。「このバイアスが働くと、謝罪すればなんとかなったという情報のみが入ってくる。検挙されて厳罰を受けたという情報は自分には当てはまらないと考えやすい」という。

また、「捕まってもいい、失うものなど何もないと思っている、いわば『無敵の人』の犯行である場合もある」とし、こうした犯行を抑止するためには「リスクとコストの高さを訴えること、つまり遊びの延長では絶対に済まされないということを徹底して周知できるかが大切」と企業側の取り組みに言及した。

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