2025年8月10日、夏の甲子園大会期間中、広島代表の広陵高校は寮内で起きた暴力事件により出場を辞退した。スポーツライターの広尾晃氏は「問題は、甲子園出場で多くの野球部員を集めるビジネスモデルにある。その結果生まれた野球部寮は、事件が起きやすい構造になっている」と指摘する。
強豪校の出場辞退でわかる「新しい高校野球」の姿
21世紀に入り、日本社会はかつてない変貌を遂げている。高校野球を取り巻く環境も大きく変わりつつあり、「昭和の時代」なら考えられないことが次々と起こるなか、日本高野連や各校の指導者はこうした事態に対応できず、右往左往している印象があると広尾氏は述べる。
社会の変化に伴って「新しい高校野球」の姿が次々と生まれつつある。その多くは日本高野連が主導するものではないが、それなりの存在意義があるものも多い。「汗と涙と青春と」では片づけられなくなった高校野球の変貌が紹介されている。
異例の大会中の出場辞退
広陵高校は2025年8月10日、夏の甲子園広島代表校として出場を辞退した。1回戦で旭川志峯高に勝ち、次戦を控えていた最中の出来事で、大会が始まってからの出場辞退は極めて異例だった。
広陵高は1923年の第9回中等学校優勝野球大会から出場している古豪中の古豪で、春出場27回(優勝3回)、夏出場26回(準優勝4回)。広島県では広島商と並ぶ名門とされる。
事件の背景にある構造問題
広尾氏は、強豪校が甲子園出場を看板に多くの野球部員を集めるビジネスモデルに問題があると指摘する。その結果生まれた野球部寮は、事件が起きやすい構造になっているという。
本稿は広尾晃『高野連』(新潮新書)の一部を再編集したものである。



