東大教授の皇族差別投稿、撤回と謝罪を求める社説
東大教授の皇族差別投稿、撤回と謝罪求む

東京大学大学院教授の本田由紀氏が、三笠宮彬子(あきこ)女王殿下を含む二人の女性皇族の御写真を添えた別の人物のX投稿を引用し、「この人たちを目にするたびに、遺伝的要因のおそろしさを感じる」と投稿した。これに対し、インターネット上で「差別的だ」との批判が広がった。

当然だろう。遺伝を持ち出し不快や不信をあらわす投稿は、重大な人権侵害につながり看過できない。一般の人々に対しても言語道断だが、ましてや今回は、反論されたり名誉毀損などで国民を訴えられたりすることが事実上できない皇族が対象と受け取れる投稿だ。

教育者としてあるまじき投稿

本田氏は日本教育学会の会長や朝日新聞デジタル版のコメンテーターも務めている。教育者としてあるまじき投稿であり、撤回して謝罪してもらいたい。東京大学と日本教育学会は経緯を詳らかにし、厳正に対応すべきだ。

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本田氏が1日に引用した投稿は、女王殿下の皇族費増額を非難し「さもしい」などと悪態をつくものだった。自身の投稿が炎上した本田氏は5日、Xに「曲解を交えた非難は当てはまらない」とした「解説」を掲載した。それによると、1日の投稿は女王殿下ではなく、殿下の伯父として血縁関係にある自民党副総裁の麻生太郎氏への批判だったという。麻生氏が「(皇室の)養子制度を推進」し、「強大な権力や財力を背景に、自身の係累を優遇」していると批判した。

苦しい弁明と大学の対応

あまりに苦しい弁明だ。そもそも、内親王と女王の皇族費増額は男性皇族との格差解消の措置であり、麻生氏とは無関係だ。最大の問題は「遺伝的要因のおそろしさ」と書く発想である。ナチス・ドイツが採ったような特定の人種や人々を排除する優生思想をも想起させる。

日本教育学会は倫理委員会で対応を検討中だ。一方、東京大学のコミュニケーション戦略課は産経新聞の取材に、本田氏の上司にあたる教育学研究科長が「個人のSNS投稿についても十分考慮して行うよう(本田氏に)注意をした」と回答した。それで済む話だろうか。

東京大学は令和2年、「中国人は採用しません」とSNSに投稿した特任准教授を懲戒解雇している。二重基準に陥らず、人権意識をきちんと備えた、国民の税金投入に値する大学に戻れるかが問われている。

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