東京都新宿区の会社事務所から貴金属を盗んだとして、警視庁は7日、札幌市の無職、黒川巧容疑者(30)ら3人を建造物侵入・窃盗容疑で逮捕し、発表した。認否は明らかにしていない。
「案件屋」が標的情報を伝達か
「匿名・流動型犯罪グループ」(匿流)の間では、「標的」となる被害者の住所や資産などをまとめた「案件」が秘匿性の高い通信アプリで交わされ、各地で侵入盗や強盗などの事件が相次いでいる。
警視庁は、黒川容疑者が「標的」の住所や侵入経路、金品の保管場所といった情報を実行役側に伝えた「案件屋」とみている。黒川容疑者のスマートフォンからは都内外の「案件」とみられる情報約20件が見つかったといい、警視庁が実態解明を進めている。
実行役は脚立で2階に侵入
捜査3課によると、他に逮捕されたのは、いずれも住居不定、無職の窪谷優生(32)、渡辺仁(27)の両容疑者。3人は、5月25日午前2時10分ごろ~20分ごろ、新宿区の貴金属買い取り会社の事務所に侵入し、現金約12万円のほか、金やプラチナなどの貴金属類約2キロが入った金庫二つ(時価合計約2500万円)を盗んだ疑いがある。
事務所は5階建てビルの2階にあった。渡辺容疑者は運転役を担い、窪谷容疑者ともう1人の実行役が脚立を使ってビル2階の窓から侵入し、貴金属入りの金庫ごと盗み出したとみられるという。警視庁は残る1人の実行役についても調べている。
金庫の保管場所も把握か
捜査関係者によると、事件には複数の指示役が関与していたとみられ、指示役を介して、黒川容疑者から実行役側に案件情報が伝えられた形跡があったという。
案件情報は秘匿性の高い通信アプリでやり取りされ、金庫を意味する「金子さん」といった隠語を交えながら共有されていたという。
今回の事件では、事務所の住所や金庫の保管場所などが事前に把握されていたとみられ、警視庁は、黒川容疑者がこうした情報を提供していたとみて裏付けを進めている。