昨年11月の茨城県神栖市長選をめぐり、投票用紙に「まんじゅうや」「だんごさん」と記載された2票の有効性が争われた訴訟で、東京高裁が無効と判断した件が話題となっている。木内敏之市長はこの判決を不服として最高裁に上告したが、その実家である老舗和菓子店「木内製菓」は注目を浴び、売り上げは好調だという。都内のスーパーでも販売されているというので、実際に購入して味を確かめてみた。
注目の的となった木内製菓
神栖市内にある木内氏の実家は明治34(1901)年創業の「木内製菓」。120年以上の歴史を持ち、地元では「まんじゅう屋のせがれ」などと呼ばれてきたと木内氏側は主張し、裁判では「まんじゅうや」「だんごさん」と書かれた2票は木内氏自身を指すものだと訴えていた。
選挙戦は新人の木内氏と現職の石田進氏の一騎打ちで、開票結果は両者とも1万6724票で並び、公職選挙法に基づくくじ引きで木内氏が当選した。これに納得がいかない石田氏側が選管に異議を申し立て、市選管は問題の2票を有効と判断したが、県選管は無効と断じ、結果は逆転。東京高裁も3日、木内氏の訴えを退けた。木内氏側は18日、最高裁に上告している。
都内スーパーで購入、実食
この騒動で木内製菓の名は全国に知られることとなった。商品は都内のスーパーでも販売されており、日中に和菓子コーナーを訪ねると、みたらしとあんこのだんご3本パック(このときの販売価格はそれぞれ税込み127円)がわずかに残るばかりだった。
1種類ずつ購入し、司法記者クラブに持ち帰ると、クラブ員は興味津々のようす。急遽、試食会が開かれた。みたらしを一口頰張ったA記者は「しっかりと甘い、昔ながらの味といった感じ」と話し、あんこに手を伸ばしたB記者は「さっぱりとしていて上品」と感想を述べた。
国の重要文化財に指定されている明治28年竣工の法務省旧本館(赤れんが棟)をバックに、だんごをいただいてみる。神栖の地元に根差した木内製菓と霞が関を象徴するこの建物は、ほぼ同年代というわけだ。そこには壮大な歴史のロマンがあった…ような気がした。