「海の神様」岩田さん90歳、半世紀の清掃とパネル展 鳥取・琴浦町
「海の神様」岩田さん90歳、半世紀の清掃とパネル展

鳥取県琴浦町赤碕の石浜の海岸を「鳴り石の浜」と名付け、約50年にわたり毎日清掃を続けてきた岩田弘さん(90)が「海の神様」と呼ばれている。岩田さんの海への思いが詰まったパネル展が同町の安田地区公民館で開かれている。

「約束」を守り続けた半世紀

1935年に赤碕で生まれた岩田さんが清掃活動を始めたのは27歳の時。島根県奥出雲町出身の妻の友人が「海に入りたい」と言っているのを聞き、ゴミであふれていた海岸を掃除した。友人は「きれいな海岸」「海が好きになった」と喜んだ。

赤碕の海は子どもの頃からそばにあり、小学生の頃はテングサを採って売り、家計の足しにした。母親に怒られた時は石浜の波の音で心を落ち着けたという。

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護岸工事を止めた反対運動

中学卒業後、16歳から2年間は魚の運搬船の炊事担当として九州の海を回ったが、赤碕のような石浜は一つもなかった。家業の石材店で働いていた68年頃、国策の護岸工事が始まると岩田さんは反対し、「工事を止めてくれたら、元気な間はきれいにします」と訴え続けた。反対運動の結果、工事は途中で止まり、約5キロの海岸線のうち約700メートルの石浜が残った。

90歳の現在も続く活動とパネル展

「言ったことは守らないけん」と、大雪の日など以外はほぼ毎日、1時間から2時間の清掃を続ける。2019年には緑綬褒章を受章し、現在もつえをついて作業にあたる。

パネル展には、岩田さんが約60年前から水中カメラで撮影したミズクラゲやカルエボシ、護岸工事の当時の写真など約40点が並ぶ。岩田さんは「あのとき石浜の海岸を残してもらったことに感謝している。海の豊かさや、地域の良さを知ってほしい」と話している。

展示は25日まで。日、祝日休み。平日は午前9時~午後5時、土曜日は午前9時~正午。問い合わせは安田地区公民館(0858・55・1848)。

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