カナダのケベック州で5日に行われた州議会選挙で、分離独立派のケベック党が勝利を収めた。同党はドナルド・トランプ米大統領の退任後にカナダからの離脱を問う住民投票を実施すると公約しており、同国のマーク・カーニー首相が掲げる「国家の団結」に試練を突きつける形となった。
ケベック党の勝利と過半数獲得の行方
公共放送CBCおよび民放各社は、フランス語圏であるケベック州で次期政権を担うのはケベック党になる見込みと報じた。ただ、議会で過半数を確保できるかは現時点ではまだ分からない。
ケベック州ではカーニー首相の人気は高い。しかし、10年以上野党にあったケベック党が勢力を伸ばした背景には、物価高騰への不満や、英語化が進む国内でフランス語を守り続けたいという根強い要望がある。
党首の公約と住民投票への姿勢
ケベック党の勝利により、ポール・サンピエールプラモンドン党首(49)が同州のトップとなる。同氏は当選した場合、カナダからの離脱を問う住民投票を実施する姿勢を維持してきたが、トランプ氏の在任中には行わないとしている。
サンピエールプラモンドン党首は、ケベック州の独立に関する決断には「情報に基づいた冷静な議論を可能にする条件が必要だ」とし、「予測不能な大統領のパフォーマンスによって議論が乗っ取られるべきではない」と指摘している。
住民投票をめぐる賛否と過去の経緯
しかし、離脱を問う住民投票をめぐっては、賛成と反対の意見が入り混じっている。賛成派からは、「民主主義において、カナダからの離脱という問いを投げかける権利が私たちにはある。独立をめぐる住民投票に反対することは、民主主義に反対することと同じだ」との声が聞かれた一方で、反対派は「もしケベックが独立すれば、政治的、経済的、軍事的に私たちは脆弱になってしまう」と、米国とカナダの「懸念される」関係に触れた。
ケベック州では過去に2度、カナダからの離脱を問う住民投票が行われている。1980年は反対票が賛成票を大きく上回ったが、1995年の投票では反対が50.58%とわずかに賛成を上回った。