認知症リスク30%上昇の睡眠時間とは?パリ大学研究と厚労省の警告
認知症リスク30%上昇の睡眠時間 パリ大学研究

厚生労働省のガイドラインでは、高齢者は8時間以上床に就かないことを推奨している。しかし、パリ大学の研究では、6時間以下の睡眠が認知症リスクを30%も跳ね上げることが明らかになった。東北大学加齢医学研究所教授の川島隆太氏は、適切な睡眠時間について警鐘を鳴らす。

日本人の睡眠不足が深刻

OECDの国際比較調査によると、日本人の平均睡眠時間は加盟国中最短の7時間40分で、全体平均より40分以上短い。特に6時間未満の睡眠者が多く、慢性的な睡眠不足状態にある人が少なくない。川島教授は「睡眠不足は集中力や判断力、感情コントロールの低下につながる」と指摘する。

「睡眠休養感」、つまり朝に疲れが取れたと感じる主観的な感覚が、睡眠の質を最も反映するとされる。近年の調査では、この感覚が得られていない人が増加傾向にある。睡眠の質が悪いと、肥満、高血圧、糖尿病、心疾患、脳血管疾患、認知症、うつ病などのリスクが上昇し、死亡リスクさえ高まるとの報告もある。

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厚労省が示す年代別睡眠時間の目安

川島教授によると、厚労省のガイドでは成人は6時間以上、中学・高校生は8~10時間、小学生は9~12時間が推奨されている。高齢者については「8時間以上床に就かない」ことが目安とされる。これは、長時間の就床がかえって睡眠の質を低下させる可能性があるためだ。

「一番の判断基準は睡眠休養感」と川島教授は強調する。自分自身が朝スッキリ起きられるかどうかが重要で、時間だけにこだわるべきではない。

6時間以下の睡眠が認知症リスクを30%上昇

パリ大学の研究では、6時間以下の睡眠を続けると、認知症の発症リスクが30%上昇することが突き止められた。この結果は、高齢者だけでなく中年層にも当てはまる。川島教授は「慢性的な睡眠不足は脳の老廃物除去を妨げ、アミロイドβの蓄積を促進する可能性がある」と解説する。

また、週末に長時間寝だめをする「社会的時差ボケ」も問題だ。土日に寝だめすると体内時計が乱れ、かえって睡眠の質を低下させる。川島教授は「毎日同じ時間に寝起きすることが大切」とアドバイスする。

良い睡眠のためのチェックリスト

川島教授は、以下の項目で自分の睡眠の質をチェックすることを勧めている。

  • 睡眠時間(7時間より少なくないか)
  • 日常生活にストレスを感じていないか
  • 就寝直前に食事をしていないか
  • 朝食を食べたか
  • 運動不足になっていないか
  • 歩く速さは落ちていないか
  • なんらかの病気に罹患していないか

これらの項目に該当する場合は、生活習慣の見直しが必要だ。特に高齢者は、長時間の就床を避け、適度な運動と規則正しい生活を心がけることが認知症予防につながる。

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