欧州サッカーで100人超の日本人選手、ピッチ外でも人種差別と闘う
欧州サッカーで100人超の日本人選手、ピッチ外でも差別と闘う

7年前、オーストリア・ザルツブルクでサッカースタジアムに向かう途中、すれ違いざまに「犬のようなにおいがするぞ」と言われた。犬を食べる人種という固定観念に基づくアジア系への蔑視で、声の主は地元チームの応援タオルを持つ3人組だった。当時、そのチームでは日本代表の南野拓実選手や韓国人選手が活躍し、躍進を支えていた。それにもかかわらず、と人種差別の根深さを思った。

サッカー界で増える人種差別的投稿

サッカー界では、競技場やSNS上で人種差別的な侮蔑行為が後を絶たず、その頻度や悪質さが増している。今夏のワールドカップでは、アフリカ系のフランス代表キリアン・エムバペ選手らスターも標的となった。1次リーグの期間中、前回大会の13倍に上る8万9000件の中傷投稿が確認され、その11%が人種差別的な内容だった。国際サッカー連盟は「非常に攻撃的なものが大幅に増えた」と懸念を示した。

欧州で広がる差別ムードと日本人選手の闘い

社会の分断や心身の孤立が深まれば、人々の差別意識がより顕在化する。経済の停滞が続く英国やドイツでは極右勢力が台頭し、ルーツや属性を理由にした嫌悪や排斥のムードが以前よりも広がっている。その欧州でサッカーの新シーズンが始まった。今季は、世界最高峰とされる英プレミアリーグの9人を始め、100人以上の日本選手がプレーする。彼らの闘いはピッチ上だけではない。