那覇市のホテルで女性を殺害し、財布などを奪ったとして、米軍普天間飛行場所属の米海兵隊上等兵デビン・バラード容疑者が強盗殺人容疑で逮捕された事件で、4日、沖縄県内に衝撃と怒りが広がった。
知事「断じて許せない」
先月30日に就任したばかりの古謝玄太知事は4日、報道陣の取材に応じ、「極めて悪質で基地と隣り合わせの生活を余儀なくされている県民に衝撃を与え、不安を招くもので断じて許せない。米軍及び日米両政府に強く抗議する」と厳しい表情で述べた。
また、「県民が殺人に巻き込まれるということは非常に悲しく、こんなことは起きてはいけない」とし、基地負担の軽減を強く求めていく考えを示した。同日、ジョージ・グラス駐日米大使から電話があり、「これまでも様々な(犯罪抑止の)対応策が取られているが、それでは不十分であり、改めて再発防止策を講じていただきたい」と伝えたという。
県庁前で抗議集会
県は5日午後にも、在沖縄米軍幹部や駐沖縄米総領事らを県庁に呼び、抗議・要請を行う予定。県議会の特別委員会も、近く県警や県から聞き取り、日米両政府への抗議決議を含めた対応を行う方針だ。
抗議の動きは県内に広がり、4日夜には県庁前で抗議集会が急きょ開かれた。参加者らは被害者に黙とうをささげた後、「また事件が起きた。怒りや悲しみで体が震えた」「何度こんな思いをしなければならないのか。基地問題は人権や命の問題だ」などと訴えた。
外相・防衛相も抗議
茂木外相は4日夕、米海兵隊員の逮捕を受けて外務省にグラス駐日米大使を呼び、「極めて遺憾であり、強い憤りを覚える」と伝え、捜査への全面的な協力と再発防止の徹底を求めた。
外務省の発表によると、グラス氏は人命が失われたことに深い遺憾の意を示し、「米政府は日本当局の捜査に全面的に協力し、事件の発生防止のためにできることは全て行う」と語った。同省沖縄事務所の紀谷昌彦沖縄担当大使も4日、在沖縄米軍トップの四軍調整官と米海兵隊太平洋基地司令官に対して強く抗議した。小泉防衛相も、防衛省にスティーブン・ジョスト在日米軍司令官を呼び、綱紀粛正の徹底などを求めた。