スマホジャーナリストの石川温氏が、自身のメールアカウントが不正アクセスを受け、性的脅迫(セクストーション)メールが100通以上届いた衝撃的な体験を明かした。この事件は、2026年7月に発生したニフティ(@nifty)への不正アクセスにより、最大186万人分のパスワードが漏洩した問題の一端である。
届いた脅迫メールの内容
石川氏のもとに届いたメールは、冒頭から「こんにちは、変態の友人よ」と挑発的な言葉で始まり、実際に使用していたパスワードが記載されていた。メールは「ビッグ・ブラザー」を名乗るハッカーを自称する人物から送られ、ブラウザ履歴やウェブカメラへのアクセスを主張し、成人向けビデオ視聴中の自慰行為を撮影したと脅迫。さらに、その動画を家族や同僚、全連絡先に公開するとし、250ドル(約3万7000円)のビットコイン支払いを要求。猶予は5時間とされ、警察への通報やデバイスのリセットを試みると動画を自動公開すると警告していた。
AIが即座に詐欺と判別
石川氏はすぐにGoogleのAI「Gemini」に翻訳を依頼。Geminiは翻訳前に「このメールはセクストーションスパムと呼ばれる典型的な詐欺メールです。絶対に要求に応じたり、お金を払ったりしないでください」と警告。石川氏は「思わず『ありがとう』と言ってしまった」と安堵の声を漏らした。
実際、この手口は過去に何度も報告されている古典的な詐欺で、漏洩したパスワードを悪用して恐怖心を煽るもの。ハッカーが実際にウェブカメラやブラウザ履歴にアクセスした証拠はなく、動画も存在しない。
漏洩元は@nifty、186万人の1人
石川氏は、自身のパスワードが漏洩した原因を調査した結果、2026年6月に発生したニフティへの不正アクセスによるものと判明。同社は最大186万人分のパスワードが漏洩した可能性を公表しており、石川氏もその被害者の1人だった。ニフティは全ユーザーにパスワード変更を呼びかけているが、石川氏は「メールアドレスが流出したことで、このような脅迫メールが大量に届くことになった」と指摘する。
被害を防ぐための対策
石川氏は、このような詐欺に遭わないための対策として、以下の点を挙げている。
- パスワードは定期的に変更し、使い回しを避ける
- 多要素認証を有効にする
- 不審なメールに記載されたパスワードが本当に自分が使っているものか確認する(漏洩サイトなどで確認可能)
- 脅迫メールには一切返信せず、支払いに応じない
- すぐに警察や相談窓口に通報する
また、万が一パスワードが漏洩した場合は、該当するサービスですぐにパスワードを変更し、同じパスワードを使っている他のサービスもすべて変更することが重要だと強調している。
まとめ:冷静な対応が鍵
今回の事例は、巧妙に偽装された脅迫メールでも、冷静にAIや専門家の助言を求めることで詐欺と見破れることを示している。石川氏は「パスワードが本物だったので一瞬焦ったが、Geminiのおかげで冷静になれた。同じようなメールを受け取った人は、決して支払わずに無視してほしい」と述べている。



