EVシフト加速、中国勢が席巻する東南アジア市場の現実
EVシフト加速、中国勢席巻の東南アジア市場

中国EVが東南アジア市場を席巻

東南アジアの自動車市場で、中国製電気自動車(EV)の台頭が著しい。タイでは2023年、新車販売に占めるEVの割合が約12%に達し、その約8割を中国ブランドが占めた。日系メーカーが長年支配してきた東南アジア市場で、中国勢が急速に存在感を高めている。

タイ市場での中国勢の躍進

タイでは、BYD(比亜迪)が2023年に約3万台のEVを販売し、EV市場でトップシェアを獲得。MG(名爵汽車)やNeta(哪吒汽車)も販売を伸ばしている。一方、日系メーカーのEV販売は低迷しており、トヨタのEV販売は約1,000台にとどまった。タイ政府は2030年までに新車販売の30%をEVにする目標を掲げ、購入補助金や減税措置を実施しており、これが中国勢の追い風となっている。

現地生産で攻勢強める中国メーカー

中国メーカーは単なる輸出にとどまらず、東南アジアでの現地生産を加速している。BYDはタイに工場を建設中で、2024年の稼働開始を予定。MGもタイで生産を開始しており、部品の現地調達率を高めている。これにより、関税コストを削減し、価格競争力をさらに強化する狙いだ。タイ投資委員会(BOI)によると、2023年にEV関連の投資申請額は約1,500億バーツ(約6,000億円)に達し、その大半が中国企業によるものだ。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

日系メーカーの苦戦と対応

日系メーカーは長年、東南アジアで高いシェアを誇ってきたが、EVシフトで出遅れている。トヨタはタイでEV「bZ4X」を販売するが、価格が約200万バーツ(約800万円)と中国勢の約2倍で、販売は伸び悩む。ホンダもEV「e:N1」を投入したが、販売台数は限定的だ。日系メーカーはハイブリッド車(HV)で依然強みを持つが、EV市場では中国勢に水をあけられている。業界関係者は「日系メーカーがEVで巻き返すには、価格競争力のあるモデルを早期に投入する必要がある」と指摘する。

東南アジア全体への波及

中国EVの攻勢はタイだけでなく、インドネシアやマレーシアなど他の東南アジア諸国にも広がっている。インドネシアでは、中国の五菱汽車(Wuling)がEV市場でトップシェアを握る。マレーシアでもBYDやMGが販売を伸ばしている。東南アジア全体のEV市場は2023年に前年比約2倍の規模に拡大し、その成長を中国勢がけん引している。国際エネルギー機関(IEA)の予測では、東南アジアのEV販売は2030年までに年間約250万台に達する見込みで、中国勢のシェアはさらに拡大するとみられる。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ