改正風俗営業法の施行後、大阪・ミナミで「無料案内所」を利用したとみられる新たなホストキャッチ(客引き)の手口が広がっていることが、大阪府警への取材で明らかになった。規制をかいくぐろうとする摘発逃れの実態に、捜査関係者は警戒を強めている。
路上で繰り返される「攻防」
8月上旬の夜、大阪・ミナミの道頓堀近くの交差点。Tシャツにハーフパンツ姿の若い男性10~15人ほどが、人混みの中に紛れるようにして通行人を眺めていた。主にホストクラブへ客を誘う「ホストキャッチ」だ。
男性やカップル、外国人観光客には見向きもしない。動き出すのは、1人か2~3人で歩いている若い女性を見つけたときだ。「お姉さん、初回どうですか」「ホスト行きませんか」とあいさつのような声かけをする。そこに警戒中だった大阪市の「客引き対策員」もすかさず近づき、拡声機で「客引きは禁止です。話しかけられても無視してくださーい」とブロックする。若い女性が通るたび、そんな「攻防」が繰り返されていた。
摘発件数は増加、無料案内所を経由か
こうしたキャッチ行為は風俗営業法や大阪府迷惑防止条例で禁止され、罰則もある。大阪府警保安課によると、2026年1~6月の半年間で、府内の繁華街で私服警察官らを客引きした疑いで86人(前年同期比22人増)が検挙された。そのうち、大半の74人がキャバクラやホストクラブなどの接待飲食店への客引きだった。
4月には、同じ系列のホストクラブで働く20代のホストの男3人が、女性捜査員に声をかけ、風営法違反(客引き)の疑いで府警に逮捕された。このホストクラブをめぐっては、客から府警に「150万円くらいのツケがある」などの相談が多数寄せられていた。府警はこの店舗も家宅捜索した。
規制をかいくぐる新たな手口
2025年6月に施行された改正風営法では、恋愛感情につけこむ「色恋営業」や、性風俗店がキャスト(従業員)の紹介を受けた対価として「スカウトバック」を支払うことを禁じた。いずれも、悪質なホストクラブを取り締まるためだ。
そんな規制をかいくぐろうと、ホストキャッチによる新たな手口が広がりつつあることが、府警への取材で明らかになってきた。5月、ミナミの路上を歩いていた私服の女性捜査員に、20代のキャッチの男が声をかけてきた。「ホスト行ってほしい、ほんまに」「バチクソイケメンいけます」と話しかけ、興味を示したそぶりを捜査員が見せると、男は「1回案内所行くやつでもいいですか?」と聞いてきた。男についていくと、近くの路地にあった「無料案内所」とみられる場所に案内されたという。



