千葉県印西市の北総線「千葉ニュータウン中央駅」前のデータセンター(DC)建設計画に続き、隣の「印西牧の原駅」前でもDC2棟を建設する計画が明らかになった。市は沿線の市内3駅周辺4地区でのDC建設を禁止するため「地区計画」の変更手続きを進めており、その完了前に新たな駅前DC計画が浮上した。
ビッグホップにDC2棟含む再開発計画
印西市は9月29日、印西牧の原駅前の大型商業施設「BIGHOP(ビッグホップ)」について、運営事業者の「CloudHQ」(米国)からDC2棟の建設を含む再開発計画の説明を受けたと発表した。
市や同社の資料などによると、ビッグホップはスーパーや飲食・物販店が入居する大型モールと駐車場、観覧車などを備えた複合施設で、広さは約13万平方メートル。2007年開業で、施設が老朽化していることや、テナントからの賃料収入の伸びが期待できないことなどから、再開発を決めたという。DC2棟のほか、商業施設も建てる計画で、30年代の完成を見込んでいる。DCからの収益は施設の再整備に活用するという。
敷地の約半分の開発計画は未定となっており、市は「そこにもDCが建つ可能性がある」としている。
駅前DC反対の経緯と地区計画の変更
駅前DCを巡っては、昨年4月に千葉ニュータウン中央駅前のDC計画が浮上。藤代健吾市長が自身のX(旧ツイッター)で「この場所にふさわしいのはDCではない」と投稿し、近隣住民らによる反対運動も始まった。市は「印旛日本医大駅」を含めて3駅の周辺4地区について、地区計画の変更による駅前DC建設の制限に乗り出した。
昨年8月には市議会も「DCは駅周辺を除く場所に整備すべきだ」とする決議を全会一致で可決し、市民と市、市議会による「駅前DC反対」の体制ができあがった。
地区計画変更の完了前に新たな計画
地区計画の変更手続きには、地権者の意向確認や地区計画案の説明会実施など、地域の合意形成を経る必要があり、今年8月に初めて「印西牧の原東地区」で地区計画変更が完了したばかり。ビッグホップがある「印西牧の原駅前センター地区」では、昨年8月に市が地権者の意向確認中にDC建設計画を告げられたという。
市都市計画課の担当者は「正直驚いたが、(駅前DCを実質禁止するという)市の考え方に変わりはない。ただ、施設が老朽化したので再開発するという事業者の意向は無視できない」と話す。
同課は9月29日に市議会全員協議会を開いて経緯を説明。「事業者が地域住民に丁寧に説明し、意見や懸念をうかがいながら、対話を重ねることが重要」とし、今月10、11日には周辺住民を対象に、市が事業者による再開発計画の説明会を開催する。市議の一人は「市が進めている駅前DC禁止の地区計画はどうなってしまうのか」と話している。