昨年大みそか、水戸市でネイリストの小松本遥さん(当時31歳)が殺害された事件で、殺人罪とストーカー規制法違反に問われた元交際相手の大内拓実被告(29)は14日の初公判で起訴事実を認めた。捜査段階では否認していたが、その後黙秘に転じていた。
別れを受け入れられず居場所を探る
検察側の冒頭陳述によると、被告は2024年1月頃に交際を始めたが、小松本さんは被告の怒りっぽい性格や口調の荒さに嫌気がさし、同年11月頃に別れを告げた。納得できなかった被告は25年6月頃、「もう一度話したい」とLINEを送ったり、執拗に電話をかけたりした。小松本さんは着信拒否にするなどして、同年7月に別の男性と結婚した。
連絡を断たれた被告は「一言言ってやりたい」と思い、小松本さんが勤めていた飲食店に行ったり、「ネイルサロンに興味がある」と偽りのSNSアカウントを作成し、友人に「小松本さんのお店はご存じですか」と尋ねたりした。
紛失防止タグで自宅特定し殺害
同年12月頃には「小松本さんを殺害して出会う前に戻りたい」と考えるようになった。同月26日、自宅を特定しようと、紛失防止タグを入れたぬいぐるみをキャンペーンの景品と偽り、小松本さんの実家に置いた。小松本さんが27日に自宅に持ち帰ったことで自宅を特定し、周辺をうろつくようになった。
30日には小松本さんの殺害を明確に決意し、ハンマーや変装用に帽子を購入。上下作業服で、段ボールを持った宅配業者を装って自宅に向かったが留守だったため、31日未明に小松本さんの車に紛失防止タグを取り付けて動向を把握できるようにした。同日夕方、小松本さんが実家から帰宅したタイミングを狙って、再び宅配業者の格好でインターホンを鳴らし、出てきたところで殺害に至った。
弁護側は精神的不安定さを主張
弁護側は、精神的に不安定となった被告が25年8月以降、臨床心理士にメールで相談していたことを明らかにした。メールでは「恐ろしいことを考えてしまう。犯罪を犯す人の気持ちがよく分かるような気がする」と送っていたという。
小松本さんは殺害された当時、妊娠5か月だった。検察側は証拠調べで「赤ちゃんまで奪われた。一生許すことはない。できる限り厳しい処罰を望む」と小松本さんの夫と両親の思いを読み上げた。被告は正面を見つめて黙った様子で聞き入っていた。
17日は被告人質問が行われ、被告自身から事件の経緯が語られるとみられる。



