金属製の割れない尺八、尼崎の会社が6年がかりで完成 竹製と遜色ない音色
金属製の割れない尺八、尼崎の会社が6年で完成

兵庫県尼崎市の金属加工会社が、マグネシウム合金を使った尺八「心妙(しんみょう)」を6年がかりで完成させた。尺八奏者の依頼を受け、通常の竹製と比べても遜色ない音色が出るという。演奏者と尼崎のものづくりの技が結実した逸品で、25日、市内の尼崎城で開かれるコンサートで初披露される。

竹製の欠点を克服

竹製の尺八は乾燥すると割れやすくなる欠点がある。このため、「金属製の尺八を作れないか」と、市ゆかりの琴古流尺八奏者、吉村蒿盟(こうめい)さんから、航空機部品などの精密加工をするゼロ精工(尼崎市南初島町)の佐藤雅弘社長に依頼があった。

金属製の文具などを手がけるデライトラボ(同)代表の金指博文さんと共同で製作を開始。当初はアルミニウムでつくったが、重くて長時間の演奏には向かなかったため、吉村さんから「もっと軽くできないか」と求められた。

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マグネシウム合金で改良重ねる

このため、金属の中で最も軽く、スポーツカーのホイールなどに使われるマグネシウム合金を採用。竹製の尺八に劣らない音を出すため、空洞の形状を楕円(だえん)にしたり、口を当てる部分を一部、樹脂製にしたりするなど、改良を重ね、9作目で完成にこぎつけた。

佐藤社長は「『さらに軽く』と言われ、難しいと思ったが、マグネシウム合金を提案した」とし、「アルミより、音もよくなった。楽器の製作は初めてだったが、当時はコロナで航空機用の設備が休眠状態で、今ならできるかもしれないと引き受けた」と振り返る。

奏者も驚く音色

アドバイスしてきた姫路市の尺八奏者、松本風学(ふうがく)さんは「金属製の尺八を吹くことはこれまでなかったが、吹かせてもらって、すごい驚きだった。柔らかく、味がある音が出る」と称賛する。10月末には松本さんが中国・上海でも演奏する予定。

コンサートは尼崎市制110周年記念として開催(チケットは完売)。佐藤社長らが心妙の誕生までの秘話を紹介し、松本さんによる竹の尺八との吹き比べもある。

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