韓国西部の仁川(インチョン)にある大型商業施設で13日、男(59)が刃物を振り回し、客ら8人が負傷する事件が起きた。殺人未遂容疑で逮捕された59歳の男は、前科者などの位置情報を知らせる「電子足輪」を装着していたことから、管理体制の再点検を行う事態に発展している。
「1人デモ」に凶器持参
聯合ニュースなどによると、事件は、13日午後1時50分ごろ、大型スーパーや映画館などが入る仁川市南洞区の大型商業施で発生した。男が刃物を振り回して利用客らを切り付けるなどした。その場で客らに取り押さえられた。8人がけがをし、うち20代の女性1人が心停止状態で病院に搬送された。
警察の調べによると、男は以前、仁川市桂陽区にある病院で、水虫の治療を受けていたが、症状が良くならないため、示談金を要求。病院が受け入れないことに不満を抱き、8月19日から「1人デモ」を始めたという。9月末までの間に病院は警察に6回通報。そのうち2回は凶器を持っていたという。
その際、病院からの通報を受けて現場に駆け付けた警察に対し、男は「デモのプラカードに穴を開ける必要があり、家にカッターナイフがなかったので、包丁を持ってきた」と釈明。警察は凶器を回収して終わったという。
今回の事件の逮捕後、男は調べに対し、「病院の通報で警察の捜査を受け、不満がたまり、ニュースのネタを作ろうとした」と供述しているという。
「電子足輪」を装着
逮捕後、警察は男が「電子足輪」を装着していると明かした。電子足輪は、位置追跡装置を内蔵し、再犯の恐れが高い前科者に対して装着を義務付けている。男は、2007年に別居中だった妻とのけんかの際に刃物を振り回して傷つけるなど、前科10犯以上だった。15年には、復縁を拒否する元妻を何度も刺したとして殺人未遂罪で懲役4年となり、服役。再犯の危険性が高いとして、29年2月まで電子足輪装着を義務付けられたという。
事件を受けて韓国法務省は、「国民の皆さんに大きな心配を及ぼし、深く謝罪する」と表明した。法務省は、今回の事件を重く受け止め、電子足輪の管理状況について徹底的に調査する方針を示した。