障害者雇用ビジネス規制へ、届け出義務化など法改正案を審議会に提示
障害者雇用ビジネス規制へ、届け出義務化など法改正案を提示

厚生労働省は、障害者の働く場所を雇用企業に提供する「障害者雇用ビジネス」について、障害者雇用促進法を改正し、業者への規制を設ける検討を始めた。事業の届け出を義務付けることや、不適切な業者を指導・監督できるようにすることが柱で、厚労省は31日の労働政策審議会(厚労相の諮問機関)の分科会で規制案を提示する。

規制の背景と現状

障害者雇用ビジネスを巡っては、雇用企業が障害者の就労管理を業者に丸投げし、障害者が不適切な就労環境に置かれていた例が確認され、厚労省は適正化に向けて法に基づく規制が必要だと判断した。

雇用企業は同法に基づき、雇用状況の国への報告を義務付けられているほか、労働局などから指導・監督を受ける。一方、企業に障害者を紹介したり職場を提供したりする業者については、障害者を直接雇用していないため、法規制の対象外となっている。

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規制案の内容

規制案では、障害者雇用ビジネスについて、▽通常の労働者の就業場所と異なる場所で障害者を勤務させることを援助する▽業務付与などの障害者の雇用管理を援助する――などの事業として同法で定義する。

その上で、業者が事業を始める際には国への届け出を義務付ける。不適切な事案が確認された業者には、労働局などが同法に基づき調査し、是正に向けた指導や勧告を行えるようにする。雇用企業にも、利用中の業者の情報や、提供された職場で働く障害者数などの報告を新たに義務付ける。

今後のスケジュールと業界の実態

厚労省は、分科会で労使や障害者団体の代表らから規制案についての意見を聞き、規制策を盛り込んだ同法改正案を来年の通常国会に提出することを目指す。

障害者雇用ビジネスは、一定規模の企業に義務付けられる障害者の「法定雇用率」の引き上げに伴い、需要が広がっている。そうした中、業者の一つ「サンクスラボ」(那覇市)を介して大手企業などに雇われた在宅勤務の障害者が実質的な仕事を与えられず、精神的苦痛を受けるなどした不適切な事例が読売新聞の報道で判明した。

◆ 障害者雇用ビジネス=企業に雇用された障害者に対し、農園やサテライトオフィスなどの働く場所を提供する事業。厚生労働省の調査によると、昨年11月時点で全国で46事業者を確認した。少なくとも約1800社が利用し、働く障害者は約1万1200人に上る。企業の拠点とは別の場所で働くため、障害者への理解が深まらないといった弊害も指摘されている。

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