イスラエルのミキ・ゾハル文化相は14日、第83回ベネチア国際映画祭で審査員特別賞を受賞したドキュメンタリー映画『NAZA』で、イスラエル軍がパレスチナ自治区ガザ地区で市民を計画的に大勢殺害していると告発した匿名の軍情報筋の特定に向け、調査を要請した。
映画の内容と監督の告発
同作品の中で、ユヴァル・アブラハーム監督とラヘル・ショール監督は、匿名のイスラエル軍関係者24人に取材を実施。数万人の民間人を死亡させたガザ爆撃に使用されたAI搭載の目標選定システムについて説明を受けている。
ベネチア国際映画祭審査員特別賞の受賞に際しアブラハーム氏は「取材に応じたイスラエル情報将校らは、この大量殺戮が偶発的なものではなく、パレスチナ人の人間性を完全に否定することに基づいた組織的・計画的な殺人行為や政策であると語っていた」と述べた。
文化相の対応と首相の声明
ゾハル文化相はX(旧ツイッター)への投稿で、当局に対し「資料がどのように入手されたのか、その背後に誰がいるのか、そして入手や公開の過程で戦時中に敵を支援することに相当する行為が行われなかったかを調査するよう要請した」と明かした。
同相は「国家裏切り」を理由に、両監督の国籍剥奪を検討するよう内務省に求めたことも明らかにした。ゾハル氏は「表現の自由は国家を裏切るライセンスではない。戦時中にイスラエルに背く行為をする者は、代償を支払うことになると知るべきだ」と記した。
一方、ベンヤミン・ネタニヤフ首相は同作品について、「われわれは世界中で反ユダヤ主義的な挑発と戦っているが、それが自国国民から発生する場合、それは到底容認できない」と述べた。
イスラエル側の反論と証言
作品中、インタビューに応じたある関係者は「民間人500人が死亡した空爆について軍が承認した」と証言している。しかし、イスラエル側はこの匿名の証言を批判し、「制作者らがこの主張を検証することはできず、裏付ける確実な証拠もないにもかかわらず公開された。さらに、インタビュー対象者の軍での経歴や役割について第三者が確認・検証することも不可能だ」と反論した。



